2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス精子幹細胞を制御する細胞間シグナル分子の同定
Project/Area Number |
17045019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中邨 智之 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助教授 (20362527)
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Keywords | 幹細胞 / 精子幹細胞 / 分泌タンパク / 膜タンパク |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウス精子幹細胞に発現する細胞膜タンパク・分泌タンパクを多数クローニングし、それらの精子幹細胞における機能を解析して幹細胞維持・分化に関わる分子を同定することにある。精子幹細胞の遺伝子解析は、細胞数が非常に少ない(マウスの場合、精巣の細胞1万個に2個程度)ため、これまで非常に困難であったが、最近精子幹細胞(Germline Stem cells、またはGS細胞)の長期培養技術が確立されたために、GS細胞のmRNAを用いた解析が可能になった。 まずGS細胞のmRNAよりSST-REX法(レトロウイルスライブラリーとBa/F3細胞を用いたシグナルシークエンス・トラップ法)によるスクリーニングを行った。約1千万のサイズのライブラリーから約350個のSSTクローンを単離し、シークエンスを行ったところ、53種類のcDNAが得られた。内訳は、分泌タンパクが22個、ゴルジ・小胞体タンパクが2個、I型膜タンパクが22個、それ以外の膜タンパクが7個であった。 また同時に、GS細胞、精子幹細胞を欠くW/Wvマウス精巣、ES細胞、GS細胞由来のES様細胞であるmGS細胞からそれぞれRNAを抽出し、Affymetrix GeneChip MG430を用いて網羅的発現解析を行った。この結果、GS細胞特異的に発現する分泌タンパク・膜タンパクを同定することができた。このマイクロアレイの結果によればSSTにより得られたクローンはGS細胞への特異性が強くないものが大半であった。 今後、マイクロアレイでGS細胞特異的な発現と考えられた遺伝子についてリアルタイムPCRでその発現特異性を確認し、精子幹細胞のマーカーとして使えるかどうかを検討する。さらに、それらの遺伝子産物が精子幹細胞の維持・分化に果たす役割を検討する予定である。
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