2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウスTE細胞の分化様式の解析から考える未分化性維持機構
Project/Area Number |
17045020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤森 俊彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (80301274)
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Keywords | マウス / 胚盤胞 / イメージング |
Research Abstract |
昨年度までに胚盤胞に至るまでの時期のタイムラプス撮影を繰り返し、約70個の胚について細胞系譜解析を行った。4細胞期以前からは細胞系譜と将来の発生運命との関係は見られなかった。そこで本年度は、このデータを元に8細胞期以降に細胞の存在した場所と、将来の発生運命について解析を進めた。胚盤胞の時期にTE細胞とICM細胞を標識し、時間を遡って解析を行い、将来の発生運命がいつから分離されるか、その場合細胞の相対的な位置はどのようなものかを解析した。その結果、8細胞期においても将来ICMとTEのどちらに分化するかは定まっていなかった。更に16細胞期についても解析を進めたが、細胞系譜と将来の分化運命に関しては、明確な関係は見られなかった。また、16細胞期における細胞の存在する場所と、将来の発生運命の関係を調べたが、これに関しても明確な回答を得られなかった。細胞の存在する場所と、将来の発生運命を詳しく解析するために、新たに細胞の形態を可視化できるトランスジェニックマウスを作製した。Lynあるいはモエシンと融合した蛍光タンパク質Venusを全ての細胞でほぼ均一に発現するトランスジェニックマウスを作製した。これによって胚盤胞にいたる間での時期に細胞がどこに存在したか、お互いの位置関係はどうであったか等の情報と、将来の分化形質を連続的に解析できると期待される。これらのマウスを用いたライブイメージングを開始しており、今後その解析を進める。これらの解析から、TEとなる細胞がいつ、どこからその性質を持ち始めるかの法則性を明らかにする予定である。
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