2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17045032
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
服部 浩一 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教授 (10360116)
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Keywords | Kit ligand / 放射線 / マトリックスメタロプロテイナーゼ / 血管内皮増殖因子 / マスト細胞 / 好中球 / 血管新生 / 顆粒球コロニー刺激因子 |
Research Abstract |
研究代表者らは、これまで骨髄ストローマが産生する生体因子が、直接的あるいは間接的に骨髄中の幹細胞の未分化性の喪失と成熟分化、さらには骨髄由来の各種細胞の末梢組織への動員を制御する機構について解明を進めてきた。こうした研究成果を基礎として、ある種のサイトカインの投与、あるいは生体侵襲性を有する生理学的ストレスが、骨髄ストローマ細胞の機能を活性化し、組織幹細胞の成熟分化と末梢組織への動員、さらには末梢組織再生に作用するとの仮説に至り、幹細胞の未分化性の喪失と骨髄内微小環境との新たな関連性について解析した。一定量の抗癌剤の投与、放射線照射または著しい血管内皮傷害によって、骨髄中のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)は活性化され、主として骨髄ストローマよりKit-ligandをはじめとするサイトカイン産生が促進されること、またこれに応じて骨髄Niche中に存在すると考えられる組織幹細胞の分化及びその増殖が誘導され、末梢血中に骨髄由来の各種組織前駆細胞を含む未熟な細胞が動員されること、MMP-9遺伝子欠損マウスにおいては、こうしたストレスに伴う骨髄中の各種生体組織前駆細胞の分化及び増殖が著しく抑制され、骨髄自体の組織再生が障害されていること等も見出された。加えて、マウス虚血肢モデルを使用した生体内再生促進法の基礎実験において、顆粒球コロニー刺激因子の局所投与あるいは放射線照射によって、虚血肢に対して明らかに有意な血管新生と壊死組織の再生を誘導することに成功した。その機序として、サイトカイン投与あるいはストレス暴露によって骨髄中の細胞の分化増殖と好中球やマスト細胞等の骨髄由来の炎症性細胞が末梢組織への動員が促進され、さらにこれらの細胞から血管内皮増殖因子(VEGF)に代表される血管新生因子が末梢の壊死組織へと供給されることにより血管及び末梢組織再構築が促進されることが示唆された。
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Research Products
(8 results)