2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17045039
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
江良 択実 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員 (00273706)
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Keywords | ES細胞 / Sox1 / PDGFR / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
まず、マウスES細胞の分化誘導のシステムを用いて、間葉系幹細胞が培養開始9日目のPDGFRα^+細胞に含まれることを明らかとした。培養開始9日目のPDGFRα^+細胞は、純化・培養後では、形態的には、骨髄由来の間葉系細胞であるストロマ細胞に、極めて類似していて、試験管内で高い増殖力を示す。この細胞は、中胚葉、脂肪細胞、神経系、内胚葉系細胞マーカーは陰性である。一方、間葉系細胞で発現が見られるSlugやVimentineの強い発現が見られた。そこで、間葉系細胞を疑い、この細胞分画の中に、自己複製能と多分化能を有する細胞が存在することを証明するために、クローニングを行い、シングル細胞由来の細胞株が、自己複製能力と脂肪・骨・軟骨細胞へ分化できる能力(多分化能)をもっていることを明らかとした。以上から、ES細胞由来のPDGFRα^+細胞の中には、試験管内での間葉系幹細胞の定義を満たす細胞が存在し、その生物学的特性は成体に存在する間葉系幹細胞に極めて類似していることが明らかとなった。次に、私たちは、そのようにして得られた間葉系幹細胞がどのような細胞系列から分化するのかについて解析を行った。その結果、間葉系幹細胞はES細胞の分化誘導システムでは、Sox1^+の神経上皮細胞由来であることが明らかとなった。さらに、テトラプロイドのキメラマウスを用いて、9.5日のマウス胚のSox1^+の神経管にもシングル細胞の解析から、間葉系幹細胞に極めて類似している細胞が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)