2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経と生殖器におけるオリゴマンノース認識レンチン、ベイシジンの役割
Project/Area Number |
17046007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 佳史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70362233)
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Keywords | 免疫グロブリンスーパー / 膜タンパク質 / N型糖鎖 / ベイシジン / マトリックスメタロプロテアーゼ / 乳酸トランスポーター / シャペロン / シクロフィリン |
Research Abstract |
ベイシジン(Bsg)は細胞外に2つの免疫グロブリン様ドメインを持つ膜糖タンパク質である。3箇所のN型糖鎖付加部位があり、組織によって糖鎖の長さに違いがある。マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)誘導活性を持ち、これにはN型糖鎖が重要である。我々はBsg欠損マウスが進行性網膜変性症と両性不妊を示すことを明らかにしてきた。雄性不妊は精母細胞の第1次減数分裂のメタフェーズから先の分化が停止することによる無精子症が原因である。本研究は進行性網膜変性症と無精子症に関わるBsgの機能、特に糖鎖の機能の解析が目的である。今年度はBsgがシャペロンの役割をしているとされるMCT(乳酸トランスポーター)に注目して解析を進めた。特にBsgとの関連が明らかにされているのはMCT1,3,4であるが少なくともMCT1とBsgは複合体を作ること、BsgはMCT1の細胞表面への移行に必須であることを明らかにした。さらにMCT1の細胞表面への移行、ならびにBsgとMCT1の複合体形成にはBsgのN型糖鎖は関与しないことを明らかにした。Bsgは精巣内では精母細胞、精娘細胞に発現し、Bsg欠損マウスではこれらの細胞が変性に陥る、あるいは産生されないが、セルトリ細胞は生存する。MCTに関してはMCT2の発現が群を抜いて多く、次にMCT1であり、MCT3,4の発現は微量であった。Bsg欠損マウスでBsg発現の消失とともに、MCT2の発現減少が見られることからMCT2の発現は生殖細胞に限局することが示唆された。一方、MCT1の発現は野生型とBsg欠損マウスで同等であることから、MCT1がセルトリ細胞に限局して発現していると思われた。もし、セルトリ細胞でもBsgが発現しているとすれば、この細胞のMCT1の機能(乳酸の汲み出し)にBsgが関与する可能性がある。今後はBsgとの関連が示唆されるもう一つの分子シクロフィリンも含めてBsgの生理的機能発現機構を解明したい。
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Research Products
(7 results)