2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスなどの病態シグナルにおける糖鎖変化とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
17046025
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北爪 しのぶ 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖機能研究チーム, 研究員 (80301753)
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Keywords | BACE1 / シアル酸転移酵素 / ST6Gal I / 酸化ストレス / 肝炎 / SNA / LEC |
Research Abstract |
本研究者らは、以前にBACE1プロテアーゼがシアル酸転移酵素を切断し分泌されることを培養細胞系およびin vitroの実験系で見いだした。 今年度は、BACE1ノックアウトマウスの解析を行った。そして、野生型マウスと異なり、ノックアウトマウスの血漿中の可溶型ST6Gal Iが約3分の1程度に減少していることを明らかにした(J.Biol.Chem (2005)280,8589-8595)。また、肝炎モデルLECラットにおいては、肝炎発症に先駆けてBACE1発現が増加し、血漿中の可溶型ST6Gal I量が増加していることも明らかにした。BACE1発現の増加する時期においてLECラットの肝臓は銅の蓄積による酸化ストレスにさらされている。従って、酸化ストレスがBACE1増加の引き金になったことが考えられた。 さらに、発現の増加したBACE1がST6Gal Iを切断することで、ST6Gal I産物であるSNAエピトープ量に特異的な変化が起きることも分かった。(論文準備中)。また、血液などの体液中の可溶型ST6Gal Iを定量するためのサンドイッチELISAを確立し、化学物質によって肝炎を惹起させたラットの血漿サンプルを測定している段階である。また、体液中のSNAエピトープ量を定量的に解析する方法を確立した。このSNAエピトープアッセイは、ST6Gal I KOの血漿サンプルには、ほとんど反応性を示さないことから、SNAエピトープを特異的に検出することが分かった。
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[Journal Article] In vivo cleavage of α2,6-sialyltransferase by Alzheimer's β-secretase2005
Author(s)
S.Kitazume, K.Nakagawa, R.Oka, Y.Tachida, K.Ogawa, Y.Luo, M.Citron, H.Shitara, C.Taya, H.Yonekawa, J.C.Paulson, E.Miyoshi, N.Taniguchi, Y.Hashimoto
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Journal Title
J.Biol.Chem. 280
Pages: 8589-8595
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