2005 Fiscal Year Annual Research Report
CD4陽性記憶T細胞恒常性維持におけるOX40の役割
Project/Area Number |
17047003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60291267)
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Keywords | CD4陽性T細胞 / 記憶T細胞 / T細胞補助シグナル |
Research Abstract |
目的:免疫記憶を理解する上で記憶T細胞の成立・維持機構の解明は重要な研究課題である。CD4陽性記憶T細胞の成立・維持の機構の解析はCD8+T細胞のそれに比べてほとんど進んでいない。以前より、OX40-OX40LがCD4陽性記億T細胞の成立に重要であることは知られていたが、その機序については全く不明である。本研究により、CD4陽性記憶T細胞成立・維持におけるOX40の役割を明らかにする。 結果・考察:記憶T細胞の成立には、CD4,CD8に関わらず、前期の抗原依存性過程と後期の抗原非依存性過程が存在することが知られる。後者の過程はサイトカインなどに依存するT細胞恒常性維持増殖(homeostatic proliferation)と呼ばれる現象と同一である。これまで、CD28などのT細胞補助シグナル分子のT細胞恒常性維持増殖への関与は否定的であったが、我々は、CD4陽性T細胞移入実験系において、OX40シグナルがCD4陽性T細胞恒常性維持増殖に促進的に機能することを見出した。さらに、阻害性抗OX40L抗体に加えて抗IL-7受容体抗体を投与すると、CD4陽性エフェクター記憶T細胞の恒常性維持増殖が完全に抑制された。一方、CD4陽性ナイーブT細胞恒常性維持増殖には、上記のようなOX40とIL-7シグナルの相加効果は見られず、恒常性維持増殖におけるOX40とIL-7シグナルの役割は、ナイーブT細胞とエフェクター記憶T細胞とで異なる可能性が示唆された。 他方、抗原提示細胞特異的と考えられていたOX40Lの発現が、受容体であるOX40とともに長期生存T細胞上に見られることが分かった。さらにOX40L欠損T細胞の移入実験により、OX40-OX40L結合がT-T細胞相互作用を介して、T細胞生存を促進することを見出した。上記の知見は、CD4陽性T細胞の恒常性維持にT細胞自身の有するOX40Lが自己分泌的に作用している可能性を示唆する。
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Research Products
(6 results)