2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリン様受容体PIR-MHCクラスI分子による免疫監視機構の研究
Project/Area Number |
17047004
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 晃 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (20344723)
|
Keywords | 免疫学 |
Research Abstract |
免疫グロブリン様受容体PIR(Paired immunoglobulin-liker receptor)による自己認識機構解明 ウィルスなどに侵襲された非自己組織と正常自己組織の鑑別は、生体がもつ免疫監視機構の中でも最も重要な識別機構の一つである。自己・非自己認識システムの破綻は、自己免疫疾患など、即座に疾患の発症につながる。とりわけ主要組織適合性抗原であるMHCクラスI分子はこの自己認識システムの主要なマーカーとしての役割を果たしている。これまでその認識機構はCD8+T細胞のT細胞受容体(TCR)やNK細胞上のキラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)によるものが知られているが、CD8+T細胞やNK細胞以外の、例えばB細胞やDCなど他の免疫担当細胞においてMHCクラスI分子の認識システムの存在は不明であった。一方、PIRは免疫グロブリン様受容体ファミリーに属し、活性化シグナル伝達を担うPIR-Aと抑制性シグナル伝達を行うPIR-Bの受容体ペアである。我々はPIR-BがMHCクラスI分子と結合することを明らかにし、骨髄球系細胞においてMHCクラスI分子を認識する新規のMHCクラスI受容体であることを突き止めている。しかしながら、PIR-Bが標的細胞あるいは自己細胞上のMHCクラスI分子を認識するかどうかは不明のままであった。今回我々はマスト細胞上でPIR-Bが自己細胞上でMHCクラスI分子を認識することを明らかにした。PIR-B遺伝子欠損マウスさらにはリガンドであるMHCクラスI分子を発現しないβ2-microglobulin欠損マウスでも、アレルギー反応が亢進することから、PIR-BとMHCクラスI分子による自己認識機構がアレルギー反応の制御に重要な役割を担っていると考えられた。
|
Research Products
(5 results)