2005 Fiscal Year Annual Research Report
CD8^+CD122^+制御性T細胞による免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
17047017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90283431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 湖州恵 中部大学, 生命健康科学研究所, 助教授 (80345884)
中島 泉 中部大学, 生命健康科学研究所, 教授 (40022826)
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Keywords | 制御性T細胞 / CD122 / インターフェロン(IFN)-γ / インターロイキン(IL)-10 / CD8 |
Research Abstract |
「研究の目的」 我々が同定したCD8^+CD122^+制御性T細胞について、その制御機構を分子レベルで明らかにし、免疫系においてこの細胞が果たす役割を解明する。 「平成17年度の研究実績」 CD8^+CD122^+細胞が他の細胞を制御する際の分子機構 1.CD8^+CD122^+細胞が行う認識の分子機構 ディフュージョンチャンバーを用いた実験の結果から、CD8^+CD122^+制御性T細胞は何らかの刺激によって活性化したT細胞を標的として認識することがわかった。この過程には、制御されるべき細胞とCD8^+CD122^+制御性T細胞との直接的な接触が必要である。CD8^+CD122^+制御性T細胞あるいは制御されるべき細胞の細胞表面に発現し、制御に関わると思われる分子に対する中和抗体を用いた実験の結果から、αβ型T細胞受容体、古典的MHCクラスI分子、CD28、CD80とCD86といった分子が制御作用に関わっていることがわかった.(論文投稿中)。 2.制御のエフェクター分子の解明 CD8^+CD122^+制御性T細胞による制御のエフェクター分子を同定するため、各種の抗サイトカイン抗体を用いて制御作用がどのような影響を受けるかを検討した。その結果、抗IL-10抗体を添加した場合に制御がブロックされることがわかり、IL-10がCD8^+CD122^+制御性T細胞による制御効果発揮のための主要なエフェクター分子であることが判明した。なお、試験管内の実験においてはIL-10が不可欠なエフェクター分子として働くが、マウス個体を用いた実験では、IL-10ノックアウトマウスのCD8^+CD122^+制御性T細胞もある程度の制御作用をもつことが証明され、IL-10非存在時には何らかの他の分子が代償的に働く可能性も示唆された(Endharti AT et al,J.Immunol.175:7093,2005)。
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