2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系細胞による慢性炎症性腸疾患の制御機構の解析
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17047030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹田 潔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20309446)
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Keywords | 自然免疫 / Toll-like receptor / 慢性腸炎 / IkB |
Research Abstract |
これまでに、自然免疫系の異常活性化が慢性腸炎の発症を導くことを明らかにした。そのため、普段腸管内細菌叢にさらされている大腸粘膜に局在する自然免疫系細胞は、過剰な炎症反応を抑えるため、その活性が絶妙に制御されている。そのため、正常マウスの大腸粘膜固有層マクロファージは、TLR刺激依存性の炎症性サイトカインの産生を認めないが、慢性腸炎を発症するIL-10ノックアウトマウス由来の細胞は有意に産生する。そこで正常マウスとIL-10ノックアウトマウスの大腸粘膜固有層マクロファージ間で遺伝子発現の差をDNAマイクロアレイで解析した。その結果、IκBファミリーに属するBcl-3,IκBNSが正常大腸粘膜固有層マクロファージに特異的に発現していることを見出した。Bcl-3,IκBNSをマクロファージに発現させると、LPS刺激依存性のTNF-α,IL-6産生がそれぞれ特異的に減少していた。そこで、IκBNSノックアウトマウスを作製したところ、マクロファージ、樹状細胞では、TLR刺激により誘導される遺伝子の中で、IL-6などのNF-κB依存性に3時間以降に遅れて誘導されてくる遺伝子の発現が有意に上昇していた。またTLR刺激によるNF-κBの活性が遷延化し、刺激後3時間でもまだNF-κBの活性が残存していた。さらに個体レベルでも、LPS投与によるエンドトキシンショックに対する感受性が高くなり、またDSS投与による腸管炎症に対する感受性も高くなっていた。このように、IκBNSノックアウトマウスでは、NF-κBの活性の遷延化、あるサブセットのNF-κB標的遺伝子の過剰発現、そして個体レベルでは炎症反応に対する感受性の亢進が見られた。この結果から、IkBNSが自然免疫系の活性をNF-kBの活性制御により負に制御し、個体レベルで炎症反応を抑制していることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)