2005 Fiscal Year Annual Research Report
形質細胞様樹状細胞活性化機構とその機能的意義の解明
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17047046
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 克明 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, 研究員 (50324843)
田中 貴志 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, 研究員 (00415225)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受受容体 / IκBキナーゼ / I型インターフェロン / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
樹状細胞の成熟分化刺激として、Toll様受容体(TLR)と呼ばれる樹状細胞上の一群の膜タンパクは極めて重要であるが、その樹状細胞への効果は、TLRの発現パターンばかりでなく、樹状細胞のサブセットにも大きく依存している。形質細胞様樹状細胞(PDC)は、B220抗原陽性の樹状細胞サブセットであり、TLRの中では、核酸系成分を認識するTLR7,TLR9を選択的に発現している。TLR7,TLR9はPDC以外の樹状細胞(cDC)にも発現しているが、TLR7/9刺激でI型インターフェロン(IFN)を産生するのはPDCのみである。このPDCにおけるTLR7/9刺激によるI型IFN誘導能がIκBキナーゼα(IKKα)欠損マウスにおいて著明に障害されていることが明らかとなった。障害は、脾臓由来、およびin vitro骨髄由来いずれのPDCにおいても認められた。一方、TLR7/9刺激による炎症性サイトカインの障害は軽度であった。また、その他のTLRシグナル機能の異常は認められなかった。ルシフェラーゼの実験結果から、IKKαは、転写因子IRF7によるI型IFNプローモーター活性化を増強することが明らかとなった。さらに、IKKαは直接IRF7に結合し、IRF7をリン酸化することにより、TLR7/9シグナルによるI型IFN産生誘導に関与していることが明らかとなった。TLR7/9シグナルによるI型IFN産生誘導は、抗ウイルス免疫ばかりでなく、自己免疫の病態形成にも関与していると考えられており、新規の免疫制御薬の開発につながることが期待できる。
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