2005 Fiscal Year Annual Research Report
パイエル板特殊上皮M細胞による抗原トランスサイトーシスの分子基盤
Project/Area Number |
17047048
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長谷 耕二 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20359714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 博司 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
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Keywords | M細胞 / 上皮細胞 / 粘膜免疫 / トランサイトーシス |
Research Abstract |
【目的】M細胞は抗原マクロ分子を抗原提示細胞に受け渡すことで粘膜表面の免疫サーベイランスに重要な役割を果たしているが、抗原の選別・輸送機構の詳細は分かっていない。これまでに我々は、M細胞に発現するIgA受容体が抗原の取り込みに重要な役割を果たすことを示してきた。本研究では、マクロ分子の細胞内輸送経路を詳細に解析するとともに、遺伝子発現プロファイル解析を通じてM細胞の機能発現に関わる分子群の同定を試みた。【方法と結果】1)パイエル板腸管ループにIgA結合蛍光ラテックス粒子を注入してM細胞に取り込ませた後、免疫染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いて詳細な観察を行った。その結果、ラテックス粒子はクラスリン被覆小胞を介して取り込まれ、初期エンドソームへ輸送された後、エクソシスト複合体を介して基底側面膜へ搬出されることが判明した。2)M細胞を多く含むパイエル板上皮層(FAE)と、ほとんど含まない小腸絨毛上皮(IEC)よりRNAを抽出し、Affymetrixマイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルの比較検討を行った。更に定量PCRおよびin situ hybridizationによる解析の結果、Ub-D、Tm4sf4及びTNFRsf12aの3遺伝子はFAE特異的に発現していた。一方で、これまで神経内分泌系細胞に発現するとされてきたSgne-1が、腸管ではM細胞に限局して発現していた。【結論】M細胞内におけるマクロ分子輸送経路を明らかにするとともに、M細胞特異的遺伝子としてSgne-1を同定した。Sgne-1はプロホルモン変換酵素PC2の分泌顆粒への輸送を修飾するとされており、M細胞のトランサイトーシス機能への関与が示唆される。
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Research Products
(3 results)