2005 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸によるリンパ球ホーミング特異性の制御機構
Project/Area Number |
17047052
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
岩田 誠 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (50160122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 時栄 株式会社三菱化学生命科学研究所, 組織病理室, 室長・主任研究員 (00399693)
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Keywords | レチノイン酸 / リンパ球 / ホーミング / 腸管免疫 / インテグリン / ケモカイン / B細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
目的:レチノイン酸が、T細胞に小腸組織へのホーミング特異性をインプリントする因子であることを我々は発見した(Immunity 21:527,2004)。この発見は、ホーミング組織特異性をインプリントする機構に初めてメスを入れたものとして認知された(Immunity 21:458,2004;Nat.Med. 10:1300,2004)。本研究では、その分子機構の解明を進めることによって、リンパ球ホーミングの乱れが関与する疾患の制御や予防に向けた新たな方法論確立のための基盤を構築することを目的とする。 結果:レチノイン酸生成の鍵となる酵素retinaldehyde dehydrogenase(RALDH)のアイソフォーム4種に対する抗体を作成した。これらの抗体を用いて、RALDHsの組織および細胞での分布を解析中である。T細胞活性化の際にレチノイン酸を作用させると、発現が増加または減少する遺伝子をマイクロアレイを用いて解析し、特にレチノイン酸の代謝とシグナル伝達に関与する遺伝子、T細胞機能制御に関与する遺伝子、そして転写調節に関与すると思われる遺伝子などを検出した。また、レチノイン酸の作用の一部が、活性型ビタミンD3の影響を受けることを見出した。さらに、レチノイン酸は、ナイーブT細胞ばかりでなく、B細胞の小腸組織へのホーミングにも関与していることを見出した。 考察:レチノイン酸の作用は、他の因子によって部分的に影響を受ける可能性があるとともに、異なるホーミング特異性を賦与する他の因子が存在する可能性が考えられる。レチノイン酸は、ナイーブT細胞やB細胞以外の免疫細胞にも小腸へのホーミング特異性を賦与している可能性がある。本年度は本研究の初年度であったが、研究拠点を移動し、課題解決のための準備を進めることができた。
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Research Products
(4 results)