2006 Fiscal Year Annual Research Report
好中球NADPHオキシダーゼの細胞質から膜への信号変換に関する構造生物学的研究
Project/Area Number |
17048001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小椋 賢治 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助手 (50270682)
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Keywords | NADPHオキシダーゼ / SH3ドメイン / 核磁気共鳴 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
好中球の活性酸素発生系にて活性酸素発生を触媒するNADPHオキシダーゼは細胞質因子(D47Dhox, p67phox, p40phox)と膜タンパク質(gp91phox, p22phox)の複合体である.NADPHオキシダーゼの活性化には,それぞれの因子の立体構造変化,および,それにより誘起される分子間相互作用の再構成が必須である.研究代表者は,細胞質因子タンパク質と膜タンパク質間において,オキシダーゼ活性化のシグナルが分子間でどのように伝達されていくのか,という間題点に関して,X線結晶構造解析およびNMRの手法を用いて,立体構造およびダイナミクスの見地からの解明を目指している. p47phoxの分子認識機構(論文1および2) 好中球の活性酸素発生系にて活性酸素発生を触媒するNADPHオキシダーゼは細胞質因子と膜タンパク質の複合体である.活性酸素発生系の休止状態においては,細胞質因子p47phoxは分子内マスクされており,膜タンパク質p22phoxと結合できないが,細胞刺激にともない分子内マスクが解除され,p22phoxと結合し,活性酸素を発生できるようになる.研究代表者らは,核磁気共鳴の手法を用いて,活性化状態におけるp47phoxの立体構造を解析した.その結果,活性化状態の複合体立体構造において,p22phoxに関して従来考えられていた相互作用必須領域よりもC未端側に10アミノ酸残基程度延長した領域がp47phox-p22phoxタンパク質間相互作用に重要であることがわかった.
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Research Products
(2 results)