2006 Fiscal Year Annual Research Report
MARCKS及び類縁蛋白質のフレキシブルな蛋白質・脂質間相互作用様式の解明
Project/Area Number |
17048017
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 英美子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50332292)
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Keywords | 質量分析 / MARCKS / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
MARCKSは、生体内で細胞運動や膜輸送など様々な状況に応じて細胞膜、アクチン細胞骨格、カルモジュリンなど複数のターゲットと可逆的に相互作用する蛋白質である。またこれらの相互作用は全て一つのドメイン、effector domain上で機能し、ミリスチル化及びリン酸化など翻訳後修飾による制御を受けている。我々はMARCKSが、上記のような"natively unfolded protein"でありながら、その構造特徴を生かし、そのターゲットの一つ、カルモジュリンと大部分延びたままソフトな結合を行っていることをX線結晶構造解析により明らかにしている。本研究は、このようなMARCKSのeffector domainが、複数のターゲットとどのような結合様式をとるのかを明らかにすることを目的としている。 MARCKSの脂質膜、アクチンとの必須結合領域を探索するため、MARCKSのeffector domainの中から複数のペプチドを選択、作成し、それぞれ、カルモジュリン、リン脂質膜、アクチンと結合した際の相互作用部位の解析を行った結果、カルモジュリンの場合と異なり、アクチン、脂質膜との結合には、比較的effector domain全長が関与することが示唆された。 上記の知見を元に、effector domainの中から作成したいくつかのペプチドについて、リン脂質、アクチンとの複合体の結晶化を試みた。様々な結晶化条件を検討した結果、複数のバリエーションのMARCKSペプチドを用いてアクチンとの複合体の結晶化に成功した。それらの結晶は、母液に対する安定性、分解能がペプチドにより異なり、それは重水素交換-質量分析法で得られた知見とほぼ一致した。得られた結晶を、Spring-8及び高エネルギー加速器研究機構のビームラインで測定を行った。現在3.6オングストロームの分解能のデータを得ている。得られた反射は、分子置換法により初期構造を得ることができた。
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Research Products
(2 results)