2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性決定に関与する膜直下シグナリング複合体の形成機構
Project/Area Number |
17048019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌倉 幸子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80398081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 英樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30179303)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 脂質 / タンパク質 / 発生・分化 |
Research Abstract |
Par3-Par6-aPKC複合体は、進化的に保存された蛋白質複合体であり、細胞極性決定時に細胞膜の特定の領域に形成される。哺乳類の上皮細胞の極性決定時にはtight junction (TJ)が形成される部位の細胞膜直下に局在することが極性決定に必須である。本研究はこの複合体がTJ形成部位の膜直下に形成されるための分子機構の解明を目的とした。今年度は以下のようなParと相互作用する新規蛋白質を同定し解析した。(1)Par3結合蛋白質;酵母two-hybridスクリーニングを行い、Par3に結合する分子として14-3-3を単離した。14-3-3は両親媒性の溝を介し、Par3の進化的に保存されたセリンのリン酸化依存的に結合した。(2)Inscuteable (Insc);ハエ神経幹細胞ではPar-aPKC複合体のapical側の細胞膜の局在にInscというアダプター蛋白質が必須である。哺乳類ホモログについては報告が無かったことから、私達はハエInscの一次配列情報をもとにヒトInsc cDNAを単離した。ハエInscは細胞極性蛋白質であるPins及びPar3と結合する。ヒトInscはハエInscとのアミノ酸相同性が25%と低かったが、哺乳類Par3及びPinsと結合したことから機能的にもホモログであると考えられた。現在Par3の膜局在に果たす役割について解析を進めている。(3)Par6BP1;Par6に結合する分子としてWD40リピートを持つPar6BP1を同定した。Par6BP1のC末やN末を欠く変異体はTJ形成を強く阻害し、Par6BP1が極性形成に重要な機能を担うと考えられた。 今後はInsc-Par3、Par6BP1-Par6の相互作用について生化学的手法により結合領域を特定すると同時に、構造生物学的な面からも解析を行い、Par-aPKC複合体の膜局在化機構の解明につなげたい。
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Research Products
(2 results)