2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子シミュレーションによる膜タンパク質の機能的ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
17048024
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木寺 詔紀 横浜市立大学, 大学院国際総合科学研究科, 教授 (00186280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池口 満徳 横浜市立大学, 大学院国際総合科学研究科, 準教授 (60261955)
渕上 壮太郎 横浜市立大学, 大学院国際総合科学研究科, 助手 (00381468)
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Keywords | 蛋白質 / 生物物理 / 計算物理学 / 膜蛋白質 / 分子シュミレーション / アクアポリン / 水透過係数 / 変異型 |
Research Abstract |
本年度は、Aquaporin(AQP)ファミリーに属する5種類の野生型タンパク質、Aquaporin1(AQP1), Aquaporin4(AQP4), AquaporinZ(AQPZ), Aquaporin0(AQP0), Glycerol Facilitator(GlpF)、並びにAQPZの3種類の変位型タンパク質、L170V、N182G、L170V/N182Gの分子動力学計算を行い、channelの水透過効率と立体構造との相関を明らかにする研究を行った。 Aquaporinは、浸透圧に従って受動的に細胞内外で水を輸送することによって、細胞の浸透圧を調節する膜タンパク質である。ここでは、上記の計8種類のタンパク質について、脂質2重膜環境下で分子動力学計算をそれぞれ10ns(5nsを2回)行い、水透過係数pfを求めた。計算の結果、野生型のp_f値は、10±4(AQP1)、7.5±3(AQP4)、16±5(AQPZ)、0.2±0.2(AQP0)、16±3(GlpF)が得られた。それらの値は、GlpFを除き、実験値と良好な一致を示した。GlpFでは、計算と実験の条件・構造が本質的に異なることが予想される。さらに、AQPZとGlpFは、前者がはるかにチャンネル半径が小さいにもかかわらず同程度のp_f値を与えるのは、輸送の協同性がAQPZではるかに高いためであることが分かった。また、ほぼ同一のチャンネル形状を持つAQP1とAQPZの比較から、AQPZのL170とN182が、そのような高効率をあたえている2つの重要なアミノ酸であると推定し、AQPZのAQP1型変異体であるL170V、N182G、L170V/N182Gの分子動力学計算を行うことで、その推定の検証を行った。
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Research Products
(1 results)