2005 Fiscal Year Annual Research Report
PIP2依存性ArfGAPタンパク質による形質膜制御機構の解明
Project/Area Number |
17048032
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 まゆみ 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (00353524)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敦史 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (20188890)
|
Keywords | AMAP1 / Paxillin / Cortactin / 創薬 / X線結晶構造解析 / SH3ドメイン |
Research Abstract |
これまでに、共同研究者等は乳癌細胞が浸潤仮足部位でAMAP1-Paxillin-Cortactinの複合体を作り、この複合体が細胞浸潤に寄与することを見いだしている。 本研究では、AMAP1-Paxillin-Cortactinの複合体の立体構造を理解することにより、リサイクリング機能と細胞膜および細胞骨格制御機能を明らかにし、さらにAMAP1-Paxillin-Cortactinを標的とした癌細胞浸潤・転移抑制剤の開発のための基礎研究を行う。我々は、すでに、AMAP1とCortactinの相互作用を抑制する低分子化合物(リード化合物)を発見していた。本年度は、リード化合物の癌細胞の浸潤・転移阻害活性についてin vitroの浸潤阻害実験およびマウスを用いた癌転移実験を用いて検討を行い、さらにリード化合物の作用部位について詳細な解析を試みた。その結果、リード化合物は、AMAP1のプロリンリッチ領域とCortactin-SH3ドメインとの結合を阻害し、乳癌細胞の形質膜伸展を抑制し、乳癌細胞の浸潤・転移を阻害することが示唆された。一方、AMAP1のプロリンリッチ領域とCortactin-SH3ドメインの複合体をX線結晶構造解析したところ、AMAP1のプロリンリッチ領域を挟み込む形で二つのCortactin-SH3ドメインが結合し、複合体を形成していることが明らかとなった。動的光散乱、ゲル濾過およびpull-down実験の結果は、X線結晶構造解析の結果を裏付けるものであった。さらに、リード化合物とAMAP1のプロリンリッチ領域の相互作用部位を明らかにする目的で、質量分析およびNMRにより解析を行った。その結果、リード化合物はAMAP1のプロリンリッチ領域に直接結合し、この時、AMAP1のプロリン残基と考えられるアミノ酸が影響を受けることがわかった。また、リード化合物の結合阻害活性の特異性を調べるために、数種類のタンパク質のSH3ドメインを用いた結合阻害実験の結果から、リード化合物はAMAP1のプロリンリッチ領域とCortactin-SH3ドメインの結合を特異的に阻害することが示唆された。
|
Research Products
(13 results)