2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着構造形成における構成要素集積のメカニズム
Project/Area Number |
17048034
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
米村 重信 独立行政法人理化学研究所, 細胞形態形成研究チーム, チームリーダー (60192811)
|
Keywords | アドヘレンスジャンクション / 張力 / ビンキュリン / アクチン / ミオシン / αカテニン |
Research Abstract |
アドヘレンスジャンクション(AJ)コンポーネントの集積がアクチン繊維束の張力に依存することの一般性の多角的な検討:当初、NRK繊維芽細胞において、ビンキュリンの張力依存性の集積が見られていたが、Cos7,3Y1などの他の繊維芽細胞、また発達する細胞接着構造を作るMTD-1A上皮細胞においてもビンキュリンの張力依存的なAJへの集積を確認した。多くの細胞ではモータータンパク質ミオシンの活性を低下させる薬剤処理を行ったが、Cos7においてはRNAiによりミオシン分子のノックダウンを行うことでも確かめた。また、通常の培養条件ではAJへのビンキュリンの集積が認められない、MDCK上皮細胞でも、損傷修復時に損傷を修復するために強い張力が生じている箇所ではビンキュリンの強い濃縮が見られた。すなわち、生理的な強い張力に応じてビンキュリンの集積が見られた。 ビンキュリンとαカテニンとの張力依存的な結合の分子機構の解析:αカテニンのビンキュリンとの結合部位は分子の中程にあり、よりN末はカドヘリン・カテニン複合体の形成に必要で、C末端はアクチン繊維に結合することが知られている。αカテニンの欠損変位体を作製し、それをαカテニンを発現していない、がん細胞に発現させ、ビンキュリンの集積とその張力依存性を調べた。αカテニンを発現させないとビンキュリンはAJに全く集積しない。またαカテニン全長を発現させると、張力依存的なAJへの集積が見られることをまず確認した。変異体の発現の結果、ビンキュリン結合部位よりC末側全てを欠くと、張力に依存せず常時ビンキュリンを集積させること、C末端のアクチン結合部位を欠落させると、常時ビンキュリンが集積しないことがわかった。すなわち、ビンキュリン結合部位よりC末側に結合を阻害する部位があると考えられる。それが、C末端の付加によって張力依存的に解除される。
|
Research Products
(4 results)