2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着構造形成における構成要素集積のメカニズム
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17048034
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
米村 重信 独立行政法人理化学研究所, 細胞形態形成研究チーム, チームリーダー (60192811)
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Keywords | アドヘレンスジャンクション / αカテニン / ビンキュリン / 張力 / アクチン / ミオシン / 分子変形 |
Research Abstract |
ビンキュリンとαカテニンとの張力依存的な結合の分子機構の解析:αカテニン欠損細胞R2/7利用し、αカテニン変異体を用いて張力依存性が特定のアミノ酸配列によるかどうかを解析した。R2/7ではビンキュリンがカドヘリンの濃縮する接着部位に集積していなかった。αカテニンのほぼ全長を導入した細胞(1-890)は、きれいな上皮様の形態を示し、カドヘリン・カテニンが存在するアドヘレンスジャンクション(AJ)にビンキュリンが集積しており、それはミオシンの活性を阻害し張力を下げると減少した。αカテニンのビンキュリン結合部位(325-402)はすでに報告されており、αカテニンの1-402や1-509の導入ではビンキュリンの集積が見られたが、張力を下げてもαカテニンから離れなかった。1-697や1-848を導入すると、ビンキュリン結合部位を持っているのにも関わらず、常にビンキュリンは細胞内でαカテニンに結合しなかった。これは、αカテニンの509-697にビンキュリンとの結合を阻害する部位があることを示している。この阻害はαカテニンのC末端(849-89;アクチン繊維に結合する)があれば張力依存的に解除される。そこで、アクチン繊維との結合が張力依存性を示すことに必要であるかを検討するために、別のタンパク質のアクチン結合部位を1-848の後に融合させた。ビンキュリンのアクチン結合部位を融合させると、αカテニン全長と同じような張力依存性が回復した。これらのことから、αカテニン分子は結合したアクチン繊維により引っ張られ、変形することでビンキュリンとの結合部位を露出するようになるのではないかと推察している。さらに、生化学実験により、αカテニンとビンキュリンとの結合を阻害する因子が細胞内にあるわけでなく、αカテニンの509-697にビンキュリンとの結合を阻害する部位があることを示すことができた。
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Research Products
(4 results)