2005 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴマー形成によるGタンパク質共役受容体の機能調節機構
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17048035
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
中田 裕康 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00041830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 登紀子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (10415531)
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Keywords | Gタンパク質共役受容体 / ダイマー / 神経伝達 / プリン受容体 / アデノシン / ATP / P2受容体 |
Research Abstract |
Gタンパク質共役受容体(GPCR)が細胞膜上で互いに結合したダイマーを形成して異なる機能を発現することが明らかになってきた。しかし、その発現機構や生理的意義の詳細は依然として不明である。我々はすでに、おもに神経伝達の調節に関与するGPCR型プリン受容体系においてダイマー形成を検討し、A_1アデノシン受容体とP2Y_1受容体間のヘテロダイマー形成とその生理的機能変化の発現を明らかにしてきた。 本年度は各種のプリン受容体間でのダイマー形成の可否とその解析を進めた。その中でも、創傷治癒の促進など血管における重要な生理的作用が注目されているGPCR型P2Y_2受容体のタンパク相互作用による調節機構を探る目的で、A_1アデノシン受容体とのダイマー形成とその役割を共発現培養細胞を用いて分析したところ、両者はヘテロダイマーを形成することを免疫共沈降法などにより明らかにした。各受容体に対してそれぞれ大きさの異なる金粒子をラベルした抗体を用いた免疫電子顕微鏡観察により、これらの受容体が実際に細胞膜上にホモダイマー、ヘテロダイマー、など色々な組み合わせのダイマーが生じていることも見いだした。また、このような細胞ではA_1アデノシン受容体のリガンド特異性が変化すること、加えてP2Y_2受容体のPLC活性はA_1受容体活性化に依存して増強するなど両受容体がsynergisticな相互作用を示すことも明らかにした。おそらく、オリゴマー形成によりP2Y_2受容体リガンドの結合によるA_1受容体の構造変化やA_1受容体のリガンド結合サイトの変化によりUTPを結合できるようになったなどのリガンド結合サイトの特異性変化が生ずることが予想される。
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