2005 Fiscal Year Annual Research Report
移動細胞先導端におけるアクチン動的システムの時空的制御機構
Project/Area Number |
17049002
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
|
Keywords | アクチン細胞骨格 / 細胞運動 / ラメリポディア / LIMキナーゼ / コフィリン / Slingshot / 蛍光イメージング / Dronpa-アクチン |
Research Abstract |
移動細胞の先導端にはラメリポディアとよばれるアクチン骨格を主成分とする生体ナノシステムが形成され、細胞運動を制御するマシーナリーとして機能する。アクチン脱重合因子であるコフィリンはアクチンターンオーバーを促進しラメリポディアの形成と伸展に必須の因子であり、LIMキナーゼによりリン酸化(不活性化)し、Slingshotにより脱リン酸化(活性化)する。本研究では、コフィリンとアクチンの結合一解離、コフィリンの活性化状態(リン酸化状態)を生細胞で可視化できる蛍光イメージングのための新しいプローブを開発し、移動細胞の先導端でのアクチン動的システムの時空的制御機構を解明することを目的として研究を行い,以下の結果を得た。 1)コフィリンとアクチンのそれぞれに分割YFP断片を連結し、コフィリンとアクチンの結合により特異的に蛍光発色するプローブ(BiFCプローブ)を探索し、約1500種の組み合わせから結合依存的に(コフィリンの脱リン酸化依存的に)蛍光発色する3種のプローブの作製に成功した。しかし、これらのプローブはいったん結合すると解離することが困難であり,コフィリン-アクチン結合(コフィリンのリン酸化状態)の動的な解析には不適であった。現在,解離しやすい変異体の探索を進めている。 2)Dronpa-アクチンを用いて細胞内のアクチン動態を経時観察し、コフィリン活性は細胞内Gアクチン量を制御することによってアクチン重合とラメリポディア形成に寄与することを示した。 3)ケモカインによるT細胞遊走において、コフィリンの一過的なリン酸化が誘導され、Slingshot-1とコフィリンが先導端へ集積することを明らかにした。また、LIMキナーゼ、Slingshot-1、コフィリンの発現抑制細胞の経時観察の結果、細胞遊走におけるコフィリンのリン酸化,脱リン酸化の時空間的制御の重要性を解明した。
|
Research Products
(6 results)