2006 Fiscal Year Annual Research Report
移動細胞先導端におけるアクチン動的システムの時空的制御機構
Project/Area Number |
17049002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 健作 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授 (70128396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 一正 東北大学, 大学院生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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Keywords | アクチン細胞骨格 / 細胞運動 / ラメリポディア / コフィリン / LIMキナーゼ / Slingshot / 蛍光イメージング / Dronpa-アクチン |
Research Abstract |
移動細胞の先導端にはラメリポディアとよばれるアクチン骨格を主成分とする生体ナノシステムが形成され、細胞運動を制御するマシーナリーとして機能する。アクチン脱重合因子であるコフィリンはアクチン脱重合因子としてアクチン繊維の脱重合を促進するはたらきがあると考えられているが、一方、細胞内では、EGF等の刺激によるアクチン重合ならびにラメリポディアの形成と伸長に必要であることが知られている。このような刺激依存的な細胞内アクチン重合の促進のメカニズムとしては、コフィリンによるアクチンモノマーの供給が必要であるという説と、コフィリンによるアクチン切断によってプラス端が創出されることが必要であるという2つの説があり、コフィリンの基本的な役割が不明である。私たちは、細胞質で局所的に発光させたDronpa-アクチンの蛍光の減少速度を測定することによって、生細胞内のGアクチン/Fアクチン量を定量化し、コフィリンは細胞質アクチンモノマーの半分以上の産生に寄与していることを明らかにした。また、細胞先導端ラメリポディアにおけるアクチンモノマーの取り込み速度は細胞質におけるアクチンモノマープールのサイズに依存することを明らかにした。さらに、EGF刺激による細胞先導端へのアクチンモノマーの取り込みは、コフィリンが不活性化した細胞では抑制されるが、アクチンモノマーをマイクロインジェクトすることによって抑制されなくなることを見出した。以上の結果から、コフィリンは、アクチン繊維プラス端の創出によるのではなく、アクチンモノマーを細胞質に大量に供給することによって、刺激依存的な細胞内アクチン重合とラメリポディア形成に寄与していることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)