2005 Fiscal Year Annual Research Report
核内構造物への移動により制御される転写活性と蛋白質分解の共役的進行の可視化
Project/Area Number |
17049004
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
峯岸 直子 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40271895)
|
Keywords | 転写因子 / 細胞周期制御 / 造血幹細胞 / 蛋白質分解 / 蛍光蛋白質 / プロテアソーム / ユビキチン |
Research Abstract |
本研究は、蛋白質分解系を介した転写因子発現制御機構と核内構造、転写活性の制御の関連の視覚的な提示を目的としている。本年度は、造血幹細胞、骨格筋、脂肪細胞等の組織の恒常性の保持に不可欠な転写因子であるGATA-2について、これまでの研究成果をもとに、発生工学的手怯によりマウス個体に生体内発現させた緑色蛍光蛋白質(GFP)を用いて,造血幹細砲における本因子の発現を可視化してその生育環境を明らかにし、また、転写制御に必要なシス因子について報告を行った(業績参照)。さらに、本因子の蛋白質レベルの制御機構について報告を行い、本因子が、類似の転写因子であるGATA-1に比較して格段に速い速度で分解されており、特に、紫外線照射後には非常に速い発現低下が認められることを示した。また、この分解はユビキチン・プロテアソーム経路を介しており、分解系の活性に必要なドメインが1分子内に3カ所存在することを明らかにした。そこで、次に、このような分解経路が働く場のイメージングや、蛋白質安定性と細胞周期制御の関係性の解明を目指し、本因子、および、各分解制御ドメインとGFPとの融合蛋白質を発現させるベクターを構築し、293T細胞への一過性発現系、白血病細胞株への安定導入株の作成などを行った。その結果、GATA-2はS期後半からG2期に発現が安定化することを明らかにし、このような発現制御に関わるドメインを検討し(未発表)。さらに、白血病細胞株やヒト臍帯血幹細胞分画の内在性GATA-2の発現も同様の細胞周期特異的な発現制御を受けていることを、各種薬剤を用いた同調培養法により示した。(未発表)。現在は、このような制御と核内構造物との関係について解析を行っている。
|