2005 Fiscal Year Annual Research Report
メカノセンサーを介したカルシウムシグナル制御のナノシステム
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17049010
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
赤羽 悟美 東邦大学, 医学部, 助教授 (00184185)
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Keywords | シグナル伝達 / ナノシステム / メカノセンサー / カルシウム / カルシウムチャネル / 薬理学 / 循環器・高血圧 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
1)Ca_v1.2と相互作用する蛋白を酵母two-hybrid法により探索した結果、Ca_v1.2のカルボキシル末端領域と相互作用する蛋白(PCTP-L)を見出した。この蛋白は心臓では心房に特異的に発現していた。PCTP-LはCa_v1.2との相互作用を介してCa_v1.2の電位依存性不活性化を抑制した。心房筋細胞において内在性のPCTP-LをRNAiによりノックダウンしたところ活動電位持続時間が有意に短縮し自動能が亢進することを見出した。PCTP-Lとの相互作用に重要な Ca_v1.2の細胞内領域を同定した。そこでこの領域のペプチドフラグメントをPCTP-LとCa_v1.2の相互作用を阻害するツールとして利用しようと試みたが、このペプチド自体がCa^<2+>チャネルの不活性化機構に影響したため阻害ツールとして利用することはできなかった。しかしながらCa_v1.2のカルボキシル末端のこの領域がCa^<2+>チャネルの不活性化機構に関与することが判明した。 2)PCTP-Lを心室筋細胞に強制発現させるとPCTP-Lの集積した細胞内領域において特徴的な形態変化が起こることを見出し、細胞骨格系のリモデリングに関わるシグナルとの連関を解析中である。 3)右心房および左心房の圧負荷肥大モデルラットにおいてPCTP-Lの発現レベルが低下することを見出した(横浜市立大学医学部・南沢亨博士の協力を得て)。よってPCTP-Lが圧負荷肥大に伴うCa^<2+>チャネルの機能低下や心房性不整脈の発症に関わる可能性をさらに検討中である。 4)Ca_v1.2の細胞内領域II-III loopとの相互作用候補蛋白として同定したメカノセンサー蛋白および細胞接着関連蛋白とCa_v1.2の心筋細胞内における相互作用を免疫沈降法により確認中である。さらにCa^<2+>チャネル機能および細胞内局在に対する役割を解析している。 5)心筋細胞にフィールド刺激を与え生理的条件に近い電気的興奮とCa^<2+>シグナリングおよび収縮弛緩を起こさせた状態で培養し、細胞骨格蛋白およびCa^<2+>チャネルの細胞内局在を解析中である。
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Research Products
(4 results)