2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17049017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北畑 裕之 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20378532)
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Keywords | 非平衡開放系 / 分子機械 / 非線形科学 / 自己組織化 / モデル構築 / 反応拡散系 / 化学機械エネルギー変換 / 自発的運動 |
Research Abstract |
本研究では、非平衡開放系としての分子機械のエネルギー変換のメカニズムを理解することを大きな目的とする。特に、仕事をするためには変位と力の相空間上で考えた時に行き帰りの経路が異なる、すなわち相空間上でループを描く必要があるという点に着目する。この点に着目して、実験系を工夫しつつ研究を進めることで、現実に起きている現象をしっかりと観察し、その本質をとらえて、理論モデルを作成することができる。また、数値計算などの手法も援用し理解を深める。実験系としては、実際の分子機械を用いることも考えられるが、われわれがこれまで行ってきた非平衡開放系の実験系を工夫することにより、制御が容易なモデル系を構築できると考えられる。そのようなモデル系における化学-機械エネルギー変換の機構を調べることで分子機械の実空間モデルを物理的に理解することを目的として研究を進めた。具体的には次にあげる成果が上がった。 ・水-アルコール系において、アルコールが水面を自発的に運動する現象を見出し、その不安定性の機構について議論した。 ・界面活性剤水溶液中で、油滴が自発的に運動する系に関して、数理モデルを構築し、基板表面の状態と油滴の運動の関係について数値シミュレーションにより再現した。 ・化学エネルギーから自発的運動が生み出される系に関して、どのようなメカニズムによってエネルギーの変換が起こるかを、実験事実を考慮に入れながら議論をおこない、自発的、あるいは外的に与えられる非対称性が大切であると結論付けた。
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