2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子モーター集合体の動作特性-ナノ筋収縮系による研究-
Project/Area Number |
17049025
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 団 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 助手 (40350475)
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Keywords | 筋収縮 / 光ピンセット / 蛍光顕微鏡 / ナノメートル計測 / 分子集合体 / ミオシン / アクチン / 筋原線維 |
Research Abstract |
本年度は、筋収縮機構の解明のために我々が新しく開発した筋収縮系(ナノ筋収縮系と呼ぶ)を用い、アクトミオシン相互作用について、筋収縮特有の現象の発見とその機構の解明を目指した。 ナノ筋収縮系は、モータータンパク質であるミオシンの向きが揃っていること、ミオシン分子はミオシンフィラメント上に規則的に配列していること、そのフィラメントが格子構造を形成しているという点において、精製タンパク質を用いて構築される従来のin vitro系とは異なる。この特徴を生かして、まず、アクチンフィラメントがミオシンフィラメント格子へ引き込まれる際の動きをアクチンフィラメント1本レベルで解析することにした。引き込まれる速さは、筋肉の収縮条件に相当する溶液条件では非常に大きく、CCDカメラでは十分に計測することができない。そこでATP濃度をマイクロモル以下に下げ、収縮速度を遅くしていった。すると、 1.低ATP濃度では、高ATP濃度で見られる張力揺らぎが観察されなかった。 2.低ATP濃度では引き込む力は強く、光ピンセットで抑え切れなかった。 3.ATP濃度を下げるに従い平均の滑り速度は遅くなり、ぎこちなく引き込まれるようになった。この動きは「ステップ」と呼ぶには変位が遅く、「安定点」と呼ぶ方がふさわしい。 4.そして、安定点の間隔は、約9nmだった。まだはっきりと現れないが、幅がその半分であることを示唆する場合もあった。 また、高速カメラを導入して測定の時間分解能を上げられるよう顕微鏡系を改造しており、近い将来には筋収縮の様相をより詳しく解析できると思われる段階に来た。
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