2006 Fiscal Year Annual Research Report
Holliday構造DNAの分岐点移動反応の顕微鏡による直接観察
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17049029
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
原田 慶恵 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10202269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 俊明 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10239204)
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Keywords | 1分子計測 / 生物物理 / 分子モーター |
Research Abstract |
DNAは2本のDNA鎖が撚り合わさった右巻き2重らせん構造をとるが、様々なタンパク質や化学物質の作用によって、らせんのねじれ量が変化する。例えば、DNA上の遺伝情報が転写される際には、転写開始点付近の約10塩基対が解離して約1回転分らせんが巻き戻る。DNAの特異的な蛍光染色剤である臭化エチジウムは(EtBr)、塩基対の間に滑り込むようにして結合し、塩基対間の角度を1分子あたり約26度減少させ、その結果DNAの2重らせんは巻き戻される。これらの構造変化はDNAの密度や電気泳動度の変化から予測されていたが、1本のDNAが構造変化する様子を直接観察した例はなかった。我々は1分子計測技術を用いて、転写開始やEtBrの結合に伴うDNAの巻き戻りを、顕微鏡下で直接観察することに成功した。2本鎖DNAの一端をスライドガラス表面に固定し、他端を微小なポリスチレンビーズに結合させる。DNAにねじれが生じると末端に結合させたビーズが回転する仕組みである。回転が観察しやすいように、ビーズが2個連結した双子ビーズを用いている。また、DNAのねじれが正確にビーズに伝わるように、ビーズの直径(500nm)よりも短いDNA(150nm)を用いている。スライドガラスにDNAを結合させる方法やDNAの高次構造を工夫することで、RNAポリメラーゼの転写伸長反応や、RuvABによる分岐点移動反応を観察することができるようになった。本法を用い、1本のDNAのねじれ運動を計測することで、DNA結合物質がDNAを構造変化させるメカニズムを解析できる。また本法は、ポリメラーゼ、ヘリカーゼ、相同組換え関連タンパク質等がDNAに作用するメカニズムの研究に、大いに役立つものと考えている。
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Research Products
(6 results)