2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17049030
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山本 歩 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門生物情報グループ, 主任研究員 (70359082)
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Keywords | 細胞生物学 / 分子生物学 / 減数分裂 / 分裂酵母 / 染色体分配 / スピンドルチェックポイント / 動原体 / スピンドル |
Research Abstract |
分裂酵母の減数第一分裂における染色体分配は動原体の減数分裂特異的な構造に依存する。この動原体の構造解析システム構築のための基礎を築くために、減数第一分裂におけるスピンドルチェックポイント因子Bub1の役割を解析した。Bub1欠損細胞で染色体の動態を解析したところ、第一分裂における動原体とスピンドルの結合および姉妹染色分体の結合が異常となった。このことはBub1が第一分裂の正常な動原体構造維持に必要であることを示している。また第一分裂で動原体とスピンドルの結合に異常が生じてもanaphaseの開始遅延が起らないことから、スピンドルチェック因子として機能することも判明した。Bub1は姉妹染色分体の結合維持を制御するSgo1およびその関連因子Sgo2の動原体局在に必須である。そこでSgo1とSgo2のそれぞれ単独破壊株および二重破壊株を解析した。その結果、Bub1欠損株にみられたのと同じような姉妹染色分体の結合異常がSgo1破壊株でも観察された。このことはBub1がSgo1を介して姉妹染色分体の結合維持をしていることを示唆している。しかし動原体とスピンドルの結合異常はSgo1およびSgo2の破壊株ではBub1に比べ軽微であったため、Bub1の動原体とスピンドルの結合形成はSgo1とSgo2の機能に依存するだけではないと考えられた。さらにSgo1およびSgo2破壊株ではanaphase開始遅延はおこる事から、Bub1のanaphase開始遅延はSgo1およびSgo2によるものではないと考えられた。これらの結果はBub1が第一分裂の正常な動原体構造維持に非常に重要な役割を果たすだけでなく、減数分裂期動原体で複数の機能を果たす、非常に重要な因子であることを示している。
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