2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17050003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥脇 暢 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50322699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 恭介 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40180492)
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Keywords | 核小体 / クロマチン / リボソーム / RNA / ヒストン / rRNA |
Research Abstract |
真核細胞の細胞核には数十億塩基対にも及ぶ膨大な遺伝情報が収納されている。DNAは核内で一様に分布するわけではなく、遺伝情報を効率よく発現するために機能領域を形成している。核小体はリボソームを合成する場であり、リボソームRNAの転写・切断・修飾が協調的に行われる場である。このような核小体をはじめとする核内の機能領域がどのように形成され、その構造が維持されるのかはまったくわかっていない。本研究では、核内の機能領域である核小体の構造形成の分子メカニズムを解明することを目的として研究を進めている。我々はヒストン結合活性とRNA結合活性を持つ因子B23に着目し研究を進めている。B23は試験管内でヒストンシャペロンとして機能するほか、細胞内ではリボソームRNAの切断にも関与することが示唆されている。B23はヒストンシャペロン活性を有することから、クロマチンへの結合活性を検討したところ、B23はリボソームRNA遺伝子領域に結合していることが明らかになった。また非常に興味深いことにB23のクロマチンへの結合はRNAが重要な役割を担っていることが示唆された。B23と同様にリボソームRNAの切断・修飾に関わる因子のクロマチンへの結合を検討したところ、いずれの因子もリボソームRNA遺伝子上に結合していることがわかった。これらの因子の核小体への局在は細胞をRNase処理することによって失われることから、RNAが核小体構造の維持に重要な役割を担っていることが示唆される。また、リボソームRNAの切断・修飾因子のクロマチンへの結合は、RNAポリメラーゼIの活性に依存しておらず、RNAの合成自体が核小体の構造維持に必要ではないことが明らかになった。核小体の構造は細胞周期を通してダイナミックに変換することが明らかになっているが、現在細胞周期を通したRNAを介する核小体形成機構に関して詳細な解析を進めているところである。
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