2005 Fiscal Year Annual Research Report
染色体テリトリーと核タンパク質の同時可視化の開発に関する研究
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17050008
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
田辺 秀之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (50261178)
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Keywords | 染色体テリトリー / 核内配置 / 3D-FISH法 / 核タンパク質 / 可視化 / 生体分子 / 生細胞蛍光観察 / 免疫染色 |
Research Abstract |
本研究では、染色体テリトリーと各種核タンパク質を同時可視化することにより、細胞周期ごとの挙動を観察し、その相互作用や結合様式を詳細に調べ、染色体テリトリーの3次元核内配置がどのように制御されているのか、関連する核タンパク質との関わりを明らかにすることを目的とする。まずVero細胞(アフリカミドリザル由来正常上皮細胞)にヒストンH2B-EGFPあるいはH2B-DsRedを導入し、安定発現株を樹立した。また、核膜関連タンパク質LBRに焦点を当て、同様にDsRedあるいはEGFPとともに細胞内で可視化し、引き続き染色体テリトリーを3D-FISH法により蛍光検出して、核タンパク質と染色体テリトリーの同時可視化系の実験条件の検討を行った。その結果、1)通常の3D-FISHに先立ってpeameabilization処理直後に核タンパク質の免疫蛍光染色を行い、その後、塩酸処理と熱変性処理を行ってDNAプローブをハイブリダイズさせるというステップを踏むこと、2)1次抗体とBiotin標識2次抗体、あるいはCy3標識2次抗体を組み合わせて用いることで、塩酸処理と熱変性処理を経ても蛍光検出が可能であること、が判明した。これらのステップを通すことにより、実験の成否は目的とする核タンパク質の強度に依存するものの、抗体の組み合わせを工夫することによって核タンパク質と染色体テリトリーの同時可視化が可能であることが示された。今後はヒストンH2B-DsRedとLBR-EGFPを共発現させた細胞株を作成し、生細胞蛍光観察により、G2期や分裂前中期の特定の染色体を残すようにフォトブリーチングを行い、G1期に移行する過程での染色体テリトリーの核内配置と核タンパク質の動態を観察して、核膜再構築時における染色体テリトリーのトポロジー制御のメカニズムの解明を目指す。
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