2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞におけるM期から複製開始にいたるまでの染色体構成因子のプロテオーム解析
Project/Area Number |
17050012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小布施 力史 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (00273855)
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Keywords | 染色体 / 核 / クロマチン / 細胞周期 / プロテオーム / インフォマティックス |
Research Abstract |
本課題は、ヒト染色体の姉妹染色体の分配時期から複製開始にいたるまでの染色体構成因子の量的な変動を、質量分析をもちいたプロテオーム解析により網羅的に明らかにすることを目的とするものである。 本年度は、可溶化した染色体タンパク質の調製法について検討した。非イオン性界面活性剤処理により不溶性のクロマチン画分を得た後、マイクロコッカルヌクレアーゼ処理、塩処理、超音波処理を純に施すことにより、ほとんどの成分を可溶化できることを見いだした。しかしながら、塩処理の過程で多くの成分がクロマチンから解離することが明らかとなった。これを克服するために、DSPによるクロスリンクの条件を検討し、至適条件を見いだした。現在、クロスリンクしたクロマチンを可溶化する条件を検討中である。 また、質量分析器を用いたタンパク質の定量解析技術の汎用化を沖縄大学院大学先行事業の長尾博士と協力して進めている。1つは、安定同位体を用いて細胞内のタンパク質を標識し内部標準として用いるアプローチである。同位体アミノ酸を用いたヒト細胞の標識法、および、内部標準と視覚的に比較を行うためのビューワー(MSight)の改良を行った。しかしながら、多くのタンパク質について一度に定量解析することが困難であること、自動的にピークをピッキングする良好なインフォマティックスがないなどの問題点が浮かび上がった。もう一つは、あるタンパク質に帰属する同定ペプチドの数が、絶対量と相関があることを利用したアプローチである。これについては、検索エンジンの同定結果をプロセスして、定量情報を抽出する一連の流れをほぼ確立した。これを用いることにより、大きな(1桁以上の)量的な差異について検出することが可能となった。 本年度の助成により、染色体構成因子のプロテオーム解析にチャレンジできる素地が整ってきたと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Comprehensive analysis of the Interphase Centromere Complex components enriched in the CENP-A chromatin of human cells2006
Author(s)
M.Ikeno1, H.Izuta, N.Suzuki1, H.Yang, T.Tomonaga, N.Nozaki, C.Obuse, Y.Kisu, NGoshima, N.Nomura, K.Yoda
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Journal Title
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[Journal Article] Two E3 ubiquitin ligases, SCF-Skp2 and DDB1-Cu14, target human Cdt1 for proteolysis2006
Author(s)
H.Nishitani1, N.Sugimoto, V.Roukos, Y.Nakanishi, M.Saijo, C.Obuse, T.Tsurimoto, K.I.Nakayama, K.Nakayama, M.Fujita, Z.Lygerou, T.Nishimoto
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Journal Title