2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17050013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 純子 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (10323809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 冬木 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (30184493)
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Keywords | テロメア / 分裂酵母 / 細胞周期 / リン酸化 / DNA複製 |
Research Abstract |
真核生物の線状染色体の末端に存在する構造体であるテロメアの維持機構を解明するため、分裂酵母のテロメアDNAに間接的に結合し、テロメアDNA長維持に必須であるRap1タンパク質の解析を行った。Rap1タンパク質の体細胞分裂細胞周期における制御機構を調べるため、まず初めにRap1タンパク質を野生株において過剰発現させたところ、細胞周期進行の著しい遅延が観察された。その遅延は、DNA損傷チェックポイントやRap1をテロメアヘリクルートする因子であるTaz1に非依存的であったことから、Rap1が細胞周期制御因子のターゲットとなっている可能性が示唆された。そこで、分裂酵母のCdc2複合体を免疫沈降したものを用いてin vitro kinase assayを行った。それにより、Rap1はSer(セリン)213、Thr(スレオニン)378、Ser422、Ser513においてCde2によってリン酸化される可能性が示唆された。Ser213のリン酸化を特異的に認識する抗体を作製したところ、Ser213はlate G2期からearly M期にかけてリン酸化されることがわかった。現在、他のリン酸化部位を認識する抗体を作製中である。Ser213をAla(アラニン)に置換したRap1タンパク質や、Ser513をGlu(グルタミン酸)に置換したRap1タンパク質を過剰発現させると、テロメアDNA長に異常が観察された。以上のことから、Rap1はCdc2によって細胞周期においてリン酸化され、それによってテロメアDNA調節機能が制御されている可能性が示唆された。
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