2005 Fiscal Year Annual Research Report
核膜崩壊の前夜:M期突入に伴う核内物質移動のダイナミズム
Project/Area Number |
17050019
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広常 真治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80337526)
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Keywords | モータータンパク質 / 細胞周期 / 中枢神経系 / 染色体分離 / 微小管 |
Research Abstract |
我々は神経細胞の遊走障害による滑脳症と、より重症な滑脳症、顔面奇形などを特徴とするミラー・デッカー症候群の分子機構の解明に取り組んできた。滑脳症/ミラー・デッカー症候群の遺伝子はヒト染色体17番の短腕に位置するが、ゲノム解析の結果から同領域は種間を越えて高度に保存されていることがわかった。滑脳症の原因遺伝子・LIS1のノックアウトマウスの解析から、LIS1は神経細胞の遊走だけでなく細胞分裂にも重要な役割を果たしていることがわかった。さらにLIS1はLIS1結合タンパク質であるNUDELと共にダイニンを制御し、細胞分裂時の染色体移動をコントロールしていることがわかった。また、滑脳症/ミラー・デッカー症候群の領域にある他の遺伝子14-3-3eはNUDELと結合し、LIS1、NUDELと共に細胞分裂をコントロールし、ノックアウトマウスの解析から核移動の修飾因子であり、ミラー・デッカー症候群の有力な候補遺伝子であることを明らかにし、ミラー・デッカー症候群の責任領域にある遺伝子・Mntはがん遺伝子のMycの制御を介して、細胞周期の制御・がん化にかかわる遺伝子であることを解明した。NUDELのノックアウトマウスの解析からNUDELも神経細胞の遊走だけでなく細胞分裂と微小管のコントロールに必須であることを明らかにした(Mol.Cellular Biol.2005)。また、NUDELの微小管再編における標的分子としてカタニンを同定した(Human Mol.Genet.2005)。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Recruitment of Katanin P60 by Phosphorylated NDEL1, a LIS1 interacting protein, is Essential for Mitotic Cell Division and Neuronal Migration.2005
Author(s)
Kazuhito Toyo-oka, Shinji Sasaki, Yoshihisa Yano, Daisuke Mori, Takuya Kobayashi, Yoko Y.Toyoshima Suzumi M.Tokuoka, Satoshi lshii, Takao Shimizu, Masami Muramatsu, Noriko Hiraiwa, Atsushi Yoshiki, Anthony Wynshaw-Boris, Shinji Hirotsune.
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Journal Title
Human Molecular Genetics 14
Pages: 3113-3128
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[Journal Article] Complete loss of Ndel1 results in neuronal migration defects and early embryonic lethality.2005
Author(s)
Sasaki S, Mori D, Toyo-oka K, Chen A, Garrett-Beal L, Muramatsu M, Miyagawa S, Hiraiwa N, Yoshiki A, Wynshaw-Boris A, Hirotsune S.
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Journal Title
Mol Cell Biol. 25
Pages: 7812-7827