2005 Fiscal Year Annual Research Report
分裂期染色体の構造解析(クロマチンイメージング)に基づく核ゲノム機能の解明
Project/Area Number |
17050026
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前島 一博 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 研究員 (00392118)
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Keywords | 染色体 / クロマチン / トポイソメラーゼII / コンデンシン / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
真核細胞に存在する細胞核は個々の細胞に即したクロマチンorganizationを支えることにより、DNA複製や個々の遺伝子調節に関与していると考えられている。このorganizationは核膜が崩壊し、ゲノムがむき出しになっている分裂期染色体においても何らかの形で保持されていると考えられている。このため、分裂期染色体構造の解明は核のクロマチンorganizationを知る上においても非常に重要である。また、分裂期染色体は細胞が分裂する際、複製されたゲノムの遺伝情報を2つの娘細胞に正確に分配するために必須な構造体であり、それ自体、長年にわたって多くの生物学者たちの興味を集めてきた。それでは、分裂期染色体はどのようにして1本の長いクロマチン繊維から折り畳まれているのだろうか?この問いに答えるため、私は凝縮を司ると考えられているトポイソメラーゼIIやコンデンシンの染色体中でのクロマチン結合部位を透過電子顕微鏡を用いてマッピングした。まず、透過電子顕微鏡で染色体中のクロマチン繊維が見えるような試料作製条件の検討から始めた。その結果、新しく確立した方法では1本1本のクロマチン繊維がはっきりと観察できるようになった。これと免疫染色を組み合わせることによって、染色体を輪切り方向と水平方向から解析した。すると、トポイソメラーゼIIやコンデンシンは放射状に広がるクロマチンループの根元付近に存在することがわかった。また、セントロメア付近ではトポイソメラーゼIIやコンデンシンがより密に存在し、クロマチンのループ自体は短くなっていることが観察された。以上の知見は、今後この方法と電子顕微鏡tomographyを組み合わせて、染色体の3次元再構築をおこなうための土台となるものである。
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