2005 Fiscal Year Annual Research Report
FA架橋によるヒストンH3及びH4テール依存的クロモネマファイバー構造の検出
Project/Area Number |
17050032
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
須賀 則之 独立行政法人理化学研究所, タンパク質構造研究チーム, 研究員 (00396219)
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Keywords | クロマチン / ヒストン / 架橋 / フォルムアルデヒド / マイクロコッカルヌクレアーゼ / クロモネマファイバー |
Research Abstract |
フォルムアルデヒド(FA)によるクロモネマファイバー固定条件の検討 種々存在する化学的架橋試薬の中からFAを先ず試みた。in vivoのクロマチン構造であり、ヌクレオソームよりも高次の構造であるクロモネマファイバー構造の生化学的な解析がFA架橋により可能となるかを検討した。FAは浸透性が高く、生細胞に対して使用でき、タンパク質-タンパク質間と同時にタンパク質-DNA間を架橋する。さらに、その架橋が可逆的である事が、大きな利点となっている。 FA架橋の効果をクロマチン中のDNA切断に対する感受性を指標に解析した。DNAを切断するプローブとして酵素MNase、DNaseI、化学試薬DMS、MPE等の中で、MNase(マイクロコッカルヌクレアーゼ)を用いた。MNaseはヌクレオソーム間に存在するリンカーDNAを特異的に切断する。これまで、クロマチンの基本構造であるヌクレオソーム構造の解析に使われている。つまり、クロマチンに特異的な切断が生じ、クロマチン構造を反映した酵素と考えられ、クロマチンの切断プローブとして最適である。 細胞に対して、FAを0.25%から5%濃度で作用させた後、MNaseによるクロマチンDNAの切断を行った。その結果、濃度依存的に、MNaseに対する抵抗性の増加が全クロマチンDNAで観察された。また、PCRにより特定のクロマチン領域においても同様な結果が得られた。これらの結果から、FA架橋がクロマチン構造を固定していることが示唆された。また、MNaseの感受性を指標にすることで、クロモネマファイバーの架橋剤の検討が行える可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)