2005 Fiscal Year Annual Research Report
液胞と細胞骨格による植物の環境適応および細胞・オルガネラ分化の解析
Project/Area Number |
17051008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馳澤 盛一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40172902)
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Keywords | 微小管 / アクチン繊維 / 液胞 / GFP / タバコBY-2細胞 / シロイヌナズナ培養細胞 / 立体画像構築 / 細胞分化・形態形成 |
Research Abstract |
本年度は、主にタバコBY-2細胞およびその形質転換細胞株(各細胞内構造の可視化細胞株)を用い、以下のように細胞内構造の動態解析を行った。 (A)液胞の成長と分化の解析:殆どの液胞を除いたミニプロトプラストを培養すると、細いチューブ状の液胞が連結した網状液胞を経て巨大液胞への分化・再生過程を経時的に観察することができた。これらの液胞構造の維持や分布には細胞骨格の関与がみられた。また、液胞の動きには、細胞内での位置による空間的差異、液胞表層のアクチン繊維の局在、という時空間的な制御要因が存在することが分かった。 (B)細胞分裂における細胞骨格の関与:生細胞でのアクチン繊維の観察から、M期に表層のアクチン繊維が2本のバンド様構造(MFTP)に再編成され、このMFTPの間に細胞板が形成された。また、細胞板形成時にはFM4-64でラベルされる膜脂質が細胞板に集積し、その蛍光は細胞板成熟に伴ってTVMに移行し、近傍にエンドソームが観察された。また、この蛍光の集積・移行や細胞板の位置制御にはアクチン繊維が関与していた。 (C)細胞分化過程における液胞および細胞骨格の動態解析:上記のBY-2細胞系は基本的に分化能を持たないので、細胞分化過程での液胞や細胞骨格の検討を行うべく、ヒメツリガネゴケを用いた観察から、原糸体の細胞の液胞と細胞質の特徴的な分布が細胞骨格によって制御されていることが分かった。また、1細胞からの分化過程において液胞と細胞骨格の動態を観察し、これらの機能について検討を行った。
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