2006 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソームにおける環境ストレス応答および耐性の分子機構
Project/Area Number |
17051010
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 朗 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (70303112)
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Keywords | ペルオキシソーム / 環境ストレス / 低分子量熱ショックタンパク質 / 分子シャペロン / プロテアーゼ |
Research Abstract |
1.シロイヌナズナ変異体によるAtHSP15.7の機能解析 ペルオキシソームに局在する分子シャペロンAtHSP15.7の機能を明らかにするためにT-DNA挿入変異株hsp15.7の解析を行った。その結果,(1)hsp-15.7では光呼吸系酵素であるHPR活性が低い一方,GGT活性が高い傾向が認められた。しかし(2)高温ストレス下における脂肪代謝活性やカタラーゼ並びに光呼吸関連酵素の活性変動パターンに,野生型との大きな差異は認められなかった。また(3)カタラーゼ阻害剤である3-アミノトリアゾール(3-AT)で緑葉を処理して弱光下培養すると,hsp-15.7のみにおいて緑葉の枯死が誘導された。これは,AtHSP15.7がペルオキシソームにおける酸化ストレスの低減に寄与する可能性を示唆する。 2.シロイヌナズナ変異体によるAtLon1lの機能解析 RNA干渉によってAtLon1の発現抑制株lonliを作製した。発芽過程における塩ストレス感受性を野生型と比較したが,発芽のわずかな遅延以外に外観および生育過程における大きな差異は認められなかった。現在,lonliにおけるペルオキシソームタンパク質の網羅的解析を試みている。 3.Lon1の普遍性 AtLon1と高い相同性を示し,塩ストレスに応答するイネプロテアーゼホモログ遺伝子OsLon1を同定した。組換えタンパク質によるin virto解析の結果,OsLon1のLonドメインは,AtLon1のLonドメイン同様,シャペロン活性を有することが明らかになった。またOsLon1のLonドメインを強制発現させた組換えイネ培養細胞では,塩ストレスによる細胞死が抑制される傾向が観察された。 4.新奇シャペロン様ペルオキシソームタンパク質の同定 分子シャペロンドメインを持つ新奇ペルオキシソームタンパク質としてAtDegQを同定した。
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