2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17051011
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三ツ井 敏明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70183960)
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Keywords | イネ / オルガネラ / ゴルジ体 / 細胞分画 / α-アミラーゼ / N-acetylglucosaminyltransferase-I / 形質転換体 / プロテオーム |
Research Abstract |
本課題研究においては、環境に応答して変化するゴルジ体の形態と構成膜タンパク質を網羅的に解析し、環境適応に関わる植物ゴルジ体特有な構造・機能を解明することを目的として、(1)イネゴルジ複合体構成タンパク質の網羅的解析、(2)デンプン代謝関連酵素であり且つ糖タンパク質であるα-アミラーゼを強発現する形質転換イネにおけるゴルジ体の構造変化について解析を行った。 (1)ショ糖密度勾配遠心・沈降法およびフローティング法を駆使して、イネゴルジ体膜を単離し、イネゴルジ体膜に存在するタンパク質の同定を試みたところ、糖鎖合成・構築関連酵素タンパク、イオンやpHホメオスタシスにかかわるタンパク、小胞輸送にかかわるタンパク、ゴルジマトリックスタンパク、機能未知なendomembrane protein EMP70などが検出された。(2)α-アミラーゼ(AmyI-1)あるいはシスゴルジマーカー(GFP-SYP31)を強発現する形質転換イネ細胞を作成した。それぞれの形質転換細胞からN-acetylglucosaminyltransferase-I(GNT-I)を指標にゴルジ体膜を分画した。抗イネGNT-I抗体を用いたイムノブロット解析の結果、AmyI-1強発現細胞から調製したGNT-I結合ゴルジ体膜の膜密度が野生型細胞のそれと比較して高くなることが見いだされた。一方、GFP-SYP31発現細胞ではこのような現象は見られなかった。さらに、AmyI-1強発現細胞の電子顕微鏡観察からこの細胞においてはゴルジ装置の数の変化も見られることが分かった。これらの結果は、AmyI-1強発現イネ細胞においてはゴルジ体が野生型細胞とは異なる機能タンパク質や脂質で構成されている可能性を強く示唆した。
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Research Products
(6 results)