2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17051012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉岡 泰 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60202397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 泰則 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (80175596)
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Keywords | 葉緑体 / 細胞分裂 / 細胞分化 / プラスチド / オルガネラ / オーキシン / プラスチド分裂 |
Research Abstract |
プラスチド局在YFPタンパク質を用いてプラスチドを可視化した解析から、crl変異体においては胚、葉肉、気孔において葉緑体に分化していないプラスチドを含む細胞が存在することが明らかとなった。さらに、プラスチド局在YFPタンパク質を用いてもプラスチドが検出できない細胞が、crl変異体の胚、気孔、表皮に存在していた。プラスチドが検出できないcrl変異体胚細胞には、DAPI染色によって明らかなプラスチドDNAが検出されない細胞があった。プラスチドは植物の発生分化に必須の代謝産物を合成するオルガネラであるため、プラスチドが検出できない細胞が生じていることがcrl変異体が植物形態の異常を示す原因の一つである可能性が示唆された。 PIN1タンパク質はオーキシンのefflux carrierタンパク質であり、オーキシンの極性輸送に重要であることが示されている。野生型胚の子葉表皮では細胞の頂端面に局在するPIN1-GFPタンパク質がcrl ftsZ1-1変異体においては側方面や基底面にも局在していた。PIN1-GFPの局在変化はcrl変異体においても見られた。また、オーキシンによって発現が誘導されるマーカー遺伝子DR5:GUSは、野生型成熟胚においては子葉と幼根の先端で強く発現している。これに対して、crl胚とcrl ftsZ1-1胚においては子葉先端におけるDR5:GUSの発現が検出できなかったり、子葉の縁おいて見られたりした。これよりcrlやcrl ftsZ1-1胚の形態が異常となる原因がオーキシンの極性輸送の変化である可能性が示唆された。
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