2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ転写系の相関制御による色素体分化プロセスと環境応答系の解明
Project/Area Number |
17051021
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金丸 研吾 神戸大学, 農学部, 助教授 (90260025)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 幸男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 技術専門職員 (60396918)
|
Keywords | 葉緑体 / 発達・分化 / 転写制御 |
Research Abstract |
高等植物色素体内では真正細菌型(PEP)とT7ファージ型(NEP)の由来も構造機能も異なるヘテロなRNAポリメラーゼ群が機能している。PEPの転写特異性は核コードのシグマサブユニットが担っている。H18年度は特にNEPの機能分担と相関について以下を解明した。 NEPについてRpoTpの欠損が葉肉細胞中の葉緑体の発達阻害だけでなく細胞数の減少と補償的に肥大化をおこし、結果的に葉の形態を鋸歯に変化させること、しかし、細胞自体の緑化や葉緑体分化は時間経過とともに部分的に回復することから、RpoTmpとの機能的相補性が示唆された。RpoTmpの欠損が葉緑体発達段階におけるPEPの発現の遅れを招き、PEPによる光合成系遺伝子の発現や複数のtRNAの発現も低下し、ストロマ・ラメラが消失する一方、核コードの色素体翻訳系遺伝子の発現が亢進している可能性がマイクロアレイ解析から示唆された。RpoTmpは根や維管束系周辺での発現が示唆されており、このこととの関連性が考察された。 一方、シロイヌナズナ葉緑体におけるin vitro転写・翻訳系の構築を目指し、均質で量を確保できる緑色培養細胞T87を活用すべく光独立栄養条件での培養法を確立し、クロロフィル量の増加と光合成能、光応答性の回復を確認した。そしてこの系を用いて培養したT87細胞から葉緑体を精製する方法を確立した。 さらに葉緑体tRNA量が明暗やN/C栄費成分、温度条件によって動的に変化すること、PNPaseの欠失や翻訳活性の阻害によっても影響を受けることを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Rice bifunctional alpha-amylase/subtilisin inhibitor : cloning and characterization of the recombinant inhibitor expressed in Escherichia coli.2006
Author(s)
Yamasaki, T., Deguchi, M., Fujimoto, T., Masumura, T., Uno, T., Kanamaru, K., Yamagata, H.
-
Journal Title
Biosci Biotechnol Biochem. 70
Pages: 1200-1209