2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17051024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠見 健介 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (00304725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
射場 厚 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (10192501)
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Keywords | イネ / 突然変異株 / シロイヌナズナ / 葉緑体 / オルガネラ分化 |
Research Abstract |
V_1に関しては、前年度までに、葉の発生初期のP4ステージに特異的に蓄積する葉緑体タンパク質遺伝子であることを明らかにした。本年度は以下のことがわかった。 1)Blue-Native PAGEと抗V_1抗体を用いた解析から、V_1は70〜100kDa程度のタンパク質複合体の一員であることがわかった。2)v_1変異株においては葉緑体リボゾームRNA(16S rRNA,23S rRNA)の成熟化が阻害されており、v_1の葉緑体転写/翻訳阻害との関連が明らかとなった。3)P4ステージにおけるV_1タンパク質の蓄積量の変動をさらに詳しく調べたところ、P4初期において最も多く、クロロフィルおよびRubisCOの蓄積量が増大するP4後期にかけて、急激に減少し、P5ステージではほとんど蓄積しないことがわかった。4)V_1タンパク質の蓄積は低温処理(20℃)で誘導され、高温処理(30℃)で抑制されることがわかった。このことはv_1変異株の表現型(低温感受性)と矛盾しない。 V_2に関しては、1)これまで、GFP融合タンパク質を用いた移送実験から、V_2遺伝子はミトコンドリア局在型の核酸合成酵素Guanylate kinase(Gmk)をコードすると結論づけていた。しかし抗V_2抗体を用いて各細胞画分におけるV_2の蓄積を詳細に調べたところ、葉緑体にも局在することがわかった。2)前年度に引き続き細胞質局在型Gmk遺伝子の解析を進めた。イネOGK1はV_2と異なり、ユビキタスに発現し、細胞質に局在することが明らかになった。2コピーあるシロイヌナズナのOGK1オルソログ(AGK1,AGK2)においては、両方とも機能しなければ胚致死になることが分かった。片方が機能阻害されると矮性を示すが、クロロシスを呈さなかったことから、葉緑体分化に関してはV_2と役割が異なると考えられる。以上の結果は論文にまとめ、投稿中である。
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Research Products
(2 results)