2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17052005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浜崎 浩子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00211483)
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Keywords | 性分化 / キメラ / 脳移植 / 性行動 / ステロイドホルモン / 生殖腺 |
Research Abstract |
脊椎動物における性分化は、生殖腺の雌雄型を決定する遺伝子の働きによって雌雄どちらかの生殖腺の分化がおこり、その後生殖腺から分泌される生殖腺ホルモンの影響を受けて個体としての雌雄が決定される、と一般的には説明される。この性分化のメカニズムは、多くの実験結果を説明するものであり、広く受け入れられている。その一方で、特に脳の性分化に関しては、中脳・間脳のドーパミンニューロン数や活性、エストロジェン受容体や芳香化酵素の発生初期における発現・活性、ニューロステロイドの合成などは生殖ホルモンの作用非依存的におきることも知られており、このメカニズムのみでは説明できないことがあることも事実である。本研究では、生殖腺ホルモンによらずもともとの遺伝的性に従って脳の細胞自立的におきる性分化について、実験発生学的手法を用いて調べることを目的としている。 生殖腺の分化がおこる前のニワトリ初期胚を用いて雌雄間で脳原基移植をすることにより、新たに4羽のキメラが誕生した。そのうち、2羽は脳が♀で体が♂、1羽は脳も体も♂、1羽は脳も体も♀の個体であった。脳が♀で体が♂の個体では、性行動を解析したが、雄特有の性行動は見られなかった。そのうち1羽は、血中テストステロン量が低い値を示した。 さらに、脳による生殖腺分化の制御について調べるために、脳移植を行ったキメラについて、胚発生の20日ころまで発生させて、生殖腺の分化について組織学的に調べている。また、生殖腺の分化にかかわることが知られている遺伝子について、in situ hybridization法を用いて脳内での発現を調べるための準備を整えた。
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Research Products
(3 results)