2006 Fiscal Year Annual Research Report
種間雑種・突然変異による性転換を用いたメダカ性決定/性分化制御機構の解明
Project/Area Number |
17052007
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
濱口 哲 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20126444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒泉 満 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40175360)
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Keywords | メダカ / ハイナンメダカ / 性決定 / 性分化 / 性転換 / 連鎖解析 |
Research Abstract |
1.新潟市白根由来のXX雄の原因遺伝子のさらなる探索を進めた。その結果、原因遺伝子はメダカ連鎖群8の約190KBの領域に存在することが明らかになった。また、既知の性分化関連遺伝子の発現動態を正常個体およびXX雄についてRT-PCRとin situ hybridizationで比較検討したところ、変異体の生殖巣において特異的に発現低下を示す遺伝子を見いだした。そのうち190KBの領域にある遺伝子についてそのエキソン部分の塩基配列には正常個体と比較して変臭がないことが判明している。 2.同地点(新潟市白根)から得られたXY雌の原因がDMYの発現低下にあること、そして、発現低下により性転換が起こる過程に関与すると思われる遺伝子の存在が示唆されていたが、性転換個体の連鎖解析を進めた結果、昨年度までに判明していた連鎖群4の遺伝子に加えて、連鎖群2の遺伝子が関与していることが明らかになった。 3.メダカとハイナンメダカの種間雑種では、近交系メダカHdrRを用いた場合には全ての個体が雌になるのに対して、HNI系統を用いた場合には一部のXY個体が雄になる。HdrRとHNI間の遺伝的多型を利用して種間雑種性転換関連遺伝子の探索を継続した結果、原因遺伝子は2つのBARクローンでカバーされる領域に存在することが明らかになった。また、HdrR系統の当該領域のかなりの部分はメダカゲノム情報から塩基配列に係る情報を得ることが出来るが、そのscafold情報とBAKクローンサイズから、候補領域は数百KBのサイズであることが判明した。 以上の研究は野生集団および近縁種の遺伝的多様性が性決定/性分化の分子機構の解明に極めて有効な手段であるが分かった。
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Research Products
(3 results)