2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17052013
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
塚原 伸治 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究領域, 主任研究員 (90318824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 道浩 神戸大学, 農学部, 助手 (90301283)
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Keywords | 脳・神経 / 視床下部 / 性分化 / アポトーシス / 性的二型核 |
Research Abstract |
ほ乳類の生殖中枢である視床下部には形態学的に性差がみとめられる視索前野の前腹側脳室周囲核(AVPV)とsexually dimorphic nucleus of the preoptic area(SDN-POA)と呼ばれる性的二型核が存在しており、これらによって雌雄で異なる生殖機能制御がなされると考えられている。性的二型核の形成は発達期におけるアポトーシス細胞死の性差によって生じることが分かっているが、その分子機構の詳細は不明である。本研究では、発達期におけるラットのAVPVとSDN-POAにおけるアポトーシス分子機構および性差を明らかにするため、Bcl-2ファミリー分子のタンパク発現をウェスタンブロットにより解析した。その結果、出生1日(誕生日)の雌AVPVでは、Bcl-2発現が雄よりも有意に高く、Bax発現は有意に低かった。反対に、出生8日の雌SDN-POAでは、Bc1-2発現が雄よりも有意に低く、Bax発現は有意に高かった。これまでの研究成果においてアポトーシス実行分子である活性型カスパーゼ3の発現性差が明らかになっており、カスパーゼ3の活性を調節するBc1-2およびBaxの発現量の性差がアポトーシスの性差を引き起こし、ひいてはAVPVとSDN-POAの性差形成に関与することが示された。さらに、出生1日のAVPVおよび出生8日のSDN-POAにおいて観察された活性型カスパーゼ3発現細胞を同定するため、活性型カスパーゼ3とニューロンのマーカーであるNeuNによる蛍光免疫二重染色をおこなった。その結果、多くの活性型カスパーゼ3発現細胞がNeuN陽性であることが分かった。このことは発達期のアポトーシスによって性的二型核のニューロン数の性差が生じることを裏付けている。
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Research Products
(4 results)