2005 Fiscal Year Annual Research Report
性腺・副腎系ホルモンによる脳内ステロイド受容体発現とモノアミン作動系の制御
Project/Area Number |
17052016
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
篠田 晃 山口大学, 医学部, 教授 (40192108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 竜太郎 山口大学, 医学部, 助手 (30335723)
柳井 章江 山口大学, 医学部, 助手 (20284854)
河野 純 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80251924)
|
Keywords | アンドロゲン / エストロゲン / HAP1 / アロマテース / 脊髄球筋萎縮症 / 性分化 / ステロイド受容体 / ラット脳 |
Research Abstract |
本年度の初期に、ARの核移行をHAP1が制御するという興味深いデータが得られたため、一部研究内容がそちらにシフトしたが、性ステロイド受容体(ERα,ERβ,AR)、アロマテース(AROM)、及びHAP1の発現の脳内分布とこれらの性ステロイドによる制御についての研究が行われ、以下の結果が得られた。 1)in vitroでARとHAP1が細胞内で複合体を作り、ARの核移行がHAP1により制御されることを見出した。さらにdeletion mutant ARを用いた実験でこれがARのLBDを介して行われ事も明らかにした。また、HAP1はARのpolyQ長に依存して結合性を増し、異常伸張polyQ-ARが引き起こすアポトーシスをHAP1が抑制することを示し、脊髄球筋委縮症SBMAの病態解明と治療に新しい知見をもたらした。これらの結果は、平成17年12月の分子生物学会で発表し、英文論文作成を終え、現在投稿中である。 2)正常Wistarラットにおける脳内性ステロイド受容体(ERα,ERβ,AR)の免疫組織化学的発現分布については、マッピングを終え、HAP1との共存関係についてもほぼ終わり、これらの結果は平成18年3月の解剖学会で発表した。現在英文論文作成中である。 3)脳内性ステロイド受容体(ERα,ERβ,AR)、アロマテース(AROM)、及びHAP1に対する性ステロイドの影響を明らかにするため、sham-operation、ADX+OCX+oil、+testosterone,+17β-estradiol,+dihydrotestosteroneのラットを作成し、5個体間で脳内ステロイド受容体(ERα,ERβ,AR)とHAP1の免疫組織化学的発現強度を比較。性ステロイド受容体の発現制御については現在解析中だが、AROMの制御には領域特異性があり、主たる内側視索前野分界条床核内側扁桃体核のAROMニューロン群は全ての性ステロイドでup regulationを受け、成獣型である中心扁桃体核等では性ステロイドに非感受性であることが明らかにされた。この結果は平成18年3月の解剖学会で発表し、英文論文作成を終え、現在投稿中である。HAP1については性ステロイドから有意な制御を受ける所見は得られていない。 4)グルココルチコイドによる脳内性ステロイド受容体(ERα,ERβ,AR)、アロマテース(AROM)、及びHAP1に対する発現制御については現在実験中である。
|