2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17052018
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北野 健 熊本大学, 理学部, 助教授 (40336219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 眞一 熊本大学, 理学部, 教授 (90109637)
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Keywords | 性決定 / ヒラメ / メダカ / 性分化 |
Research Abstract |
本研究では、温度依存性性決定機構を持つヒラメを用いて、温度依存性性決定の分子メカニズムの解明を試みると同時に、温度により遺伝子発現が制御されるアロマターゼとミュラー管抑制物質(MIS)の発現制御機構及び生理的役割を調べるため、ヒラメだけでなく機能解析に優れたメダカも用いて解析を行った。 1.ヒラメの性分化機構の解析 アロマターゼは、雌への性分化に不可欠であり、高水温による雄化に伴い発現量が減少する。この発現制御に関わっている候補因子として、転写因子Fox12を同定した。その発現パターンを調べた結果、Fox12遺伝子の発現は、アロマターゼ遺伝子と同様に、性分化時期において雌の生殖腺でのみ検出された。また、アロマターゼ遺伝子の5'上流域にはFox12の結合配列が存在していた。今後、Fox12がアロマターゼの発現制御を行っているかどうか調べるため、レポーターアッセイ等を行っていきたいと考えている。一方、高水温による雄化に伴い発現量が増加するMIS遺伝子の5'上流域を解析した結果、転写因子Ad4BP/SF-1及びLRH-1が結合する配列が存在していた。そこで、ゲルシフトアッセイを行った結果、その配列にAd4BP/SF-1及びLRH-1が結合する事が確認された。これらのことから、MISの発現制御には、転写因子Ad4BP/SF-1及びLRH-1が深く関与している可能性が示唆された。今後は、メダカを用いてin vivoでのMISの発現制御機構を解析していく予定である。 2.生殖腺の性分化におけるMISの機能解析 メダカを用いて性分化におけるMISの機能を解明するため、MIS-アンチセンスオリゴをolvas-GFPトランスジェニックメダカ(体外から生殖細胞を可視化できる系統)の受精卵へと顕微注入してMISの機能を阻害し、生殖細胞数をカウントした。その結果、MISの機能阻害により、有意に生殖細胞数が減少した。このことから、MISは性分化時期の生殖細胞の増殖に関与していることが明らかになった。
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[Journal Article] Organochlorine contaminants in human adipose tissues from China : mass balance approach for estimating historical exposure to DDTs by Chinese.2005
Author(s)
Nakata, H., Nasu, T., Abe, S., Kitano.T., Fan, Q., Li W., Ding, X.
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Journal Title
Environmental Science and Technology 39
Pages: 4714-4720
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[Journal Article] Assessment of estrogenic chemicals using an estrogen receptor α (ERα)- and ERβ-mediated reporter gene assay in fish
Author(s)
Kitano, T., Koyanagi, T., Adachi, R., Sakimura, N., Takamune, K., Abe, S.-I.
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Journal Title
Marine Biology (In press)
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