2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経ネットワークの性差構築機構とその分子基盤の解明
Project/Area Number |
17052019
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (40315932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 浩隆 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20363971)
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Keywords | エストロゲン / トランスジェニック / GFP / 神経内分泌 / エストロゲン受容体 / 性差 / 性行動 / 勃起 |
Research Abstract |
・ゲッ歯類では、胎仔期に雄の胎仔に挟まれて育つか(2M)、雌の胎仔に挟まれて育つか(2F)で、成体の攻撃性や性行動に差が見られる。本研究で、2Mと2F環境で育ったラットの脳の内側視束前野性的二型核が、雄においては体積が2Fより2Mの方が有意に大きいことが明らかした。ERα陽性神経細胞の分布を2Mと2Fのラットで比較したところ、内側視索前野および視床下部弓状核において、2Mの方が2Fより有意に多く分布することが示された。 ・勃起を制御する脊髄(腰髄)の神経核にgastrin-releasing peptideが特異的に投射しており、雄の方が雌より有意にその投射量が多いことが明らかになった。精巣摘除により雌型の投射量に減少することが示された。 ・脳の性差構築の分子基盤を明らかにするために、脳の性差が構築される生後2日目と8日目のラットの間脳のRNAを抽出し、ジーンチップ(Affimetrics社)およびGene Fishing Differentially Expressed Genes Sceening(Seegene社)を用いて雌雄で発現量の異なる遺伝子の同定を行った。 ・エストロゲンの脳への作用を明らかにするために作成した、エストロゲン受容体(ER)α遺伝子プロモーターの下流にGFPのcDNAを繋いだ遺伝子のトランスジェニック(TG)マウスを用いて、生後数日のTGマウスの脳スライスを多孔質膜上で培養を行い、共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いて神経の形態を観察した。少なくとも10日はGFPの蛍光を指標に神経細胞の形態を観察することができた。さらに、Laser Capture Microdissection Systemを用いて単細胞レベルでGFP陽性神経細胞を回収し、ジーンチップを用いてGFP陽性神経細胞に特的に発現する遺伝子の同定を行った。
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