2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17052020
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
秦野 修 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40164850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹森 洋 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部, プロジェクトリーダー (90273672)
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Keywords | indifferent gonads / differentiation / sex difference / Ad4BP / SF-1 / Wt1 / steroid hormone |
Research Abstract |
代表者はステロイドホルモン合成酵素の共通転写因子Ad4BP/SF-1の発現解析によって、Ad4BP/SF-1が性腺の性分化直後より精巣で高く卵巣で低い性的2型性を示すこと、セルトリ細胞でも発現して雄の性分化に必須のMIS遺伝子の発現制御に関与することを見出し、Ad4BP/SF-1が性腺の性分化に重要な因子であることを明らかにした。そこで未分化性腺の形成および性分化時にAd4BP/SF-1の発現量の調節候補因子を含む性分化関連因子群の相互関係を明らかにするために、性腺形成に必須の転写因子Wt1欠損マウスの解析に着手した。Wt1欠損マウスは、Wt1遺伝子ヘテロにおいても生殖能力が著しく低いことが明らかになり、遺伝的バックグラウンドをC57BL/6Nへの変換を試みている。また、Sry遺伝子をもたない遺伝子型がメスのWt1+/-マウスにおいて膣口をもたないマウスが存在した。これらのことはWt1ヘテロに起因する発現の量的効果が性分化、性成熟に影響することを示唆した。又、未分化性腺の形成前期にはWt1の発現が副腎前駆領域にも認められた。このとき、オス親のみの遺伝子が子マウスで発現されるPref-1の発現領域はAd4BP/SF-1の発現領域を含んでより広く、Wt1のみとの共発現細胞を認めた。又、性分化後のオス性腺に発現するステロイド合成酵素CYP11AとStARの転写活性が、培養細胞においてAd4BP/SF-1とTORC2により協調的に発現上昇すると共に、protein kinase阻害剤であるスタウロスポリンによってCYP11AとStAR mRNAの著しい発現上昇が認められた。スタウロスポリンはマウス個体に投与すると血糖値の上昇が認められた。又、メス性腺に特異的なaromataseの発現を新たな抗体を作成して調べている他、未分化性腺の器官培養を試みている。
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