2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17052029
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
大久保 範聡 基礎生物学研究所, 生殖生物学研究部門, 助手 (10370131)
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Keywords | メダカ / トランスジェニック / ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH) / 終神経節 / 視索前野 / ノックダウン / カールマン症候群 |
Research Abstract |
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH : Gonadotropin-Releasing Hormone)は、生殖腺を発達させるとともに、性行動を誘起する神経ペプチドの一種であり、脳の性差を考える上で極めて重要な因子である。我々は今回、GnRHニューロンを詳細に解析するための実験系として、同ニューロンを緑色蛍光物質GFPで可視化したトランスジェニックメダカ(GnRH-GFPトランスジェニックメダカ)を作製した。このトランスジェニックメダカにおいて、GnRHニューロンの発生過程をリアルタイムで追跡した結果、鼻部で誕生し、終神経節、視索前野腹側部、間脳前端部まで移動するGnRHニューロン群、終脳背側部で誕生し、視索前野背側部まで移動するGnRHニューロン群、終脳前端部で誕生し、終脳腹側部まで移動するGnRHニューロン群、視床下部腹側部や三叉神経節の非移動性GnRHニューロン群が存在することが明らかとなった。また、初期胚において、GnRHが母性由来に発現することも分かった。さらに我々は、今回作製したGnRH-GFPトランスジェニックメダカと新規に開発されたノックダウン技術を組み合わせることにより、このトランスジェニックメダカが、ヒトの生殖疾患であるカールマン症候群のin vivoモデルとしても有用であることを示した。また、GnRH-GFPトランスジェニックメダカを用い、生きたGnRHニューロンの活動電位をリアルタイムで測定するためのパッチクランプ実験の系を確立した。
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